わが国初の臓器移植法に基づく心臓移植手術が、全国注視の中で無事に完了した。マスメディアによる歴史的な大々的取材攻勢の中で、一部に混乱はあったものの、極めてスムースに事が運んだ。この陰には、昨年6月に本欄でも紹介をした白倉良太氏(73期)の功績が見え隠れしている。彼は人生の31年間を捧げて日本における臓器移植の実施体制の構想を練り、そのシミュレーションに取り組んできたのだ。
前回『われら六稜人』で彼が語ってくれたこと…それがあまりにも生々しく現実に再現されたことに改めて敬服し、彼の特別の計らいによって、疲れ切った激務のさなか取材をさせていただくことができた。聞けば…記者会見は毎日やっているが、単独のインタビューはこの六稜の取材が初めてとの由。
遂にやって来た「その日」の心境を…彼がどのように語ってくれるのか。時の人…白倉氏の本音に迫ってみたいと思います。
●INDEX
第6病棟:マスメディアと紳士協定
第7病棟:そして、その日…
第8病棟:マスコミの功罪
第9病棟:心臓移植、次なるステージ
第10病棟:まだ実感はわかない…
以前のおはなし
【第10回】「いのちの携帯電話」を持つ男
収 録●Mar.11,1999
大阪大学医学部・バイオ臓器移植学研究室にて
取 材●石田雅明(73期)、壽榮松正信(74期)、富田昌宏(78期)、
島谷宏子(91期)、谷 卓司(98期)
協 力●小野祐路(76期)