われら六稜人【第12回】


    全国制覇…あれから50年
    【後編】

      【これまでのあらすじ】「甲子園に出れば銀シャリが食える。そればっかり考えてた。母校のためだとか郷土のためだとか、そんなことはサッパリ考えてなかった(笑)」という北野ナイン。いよいよ対戦相手を選ぶという抽選会の席で、三川マネージャはすかさず大鉄の前に置かれた札を取った。

      「自分の前の札を取るのが礼儀だ」と…当時、選考委員でもあった梅田選手の父親に叱られはしたものの、北野は見事、念願の日川高校の札を引き当てた。思わずガッツポーズをとった三川マネージャを見て、下級生たちもヤイのヤイの…飛び上がって喜んだという。

      ともにDクラス同志の対戦という好カードを手にした北野は、この後、思いもかけぬ躍進劇に邁進することになる。梅田選考委員は「品が無い」といってわが子のチームを嘆いていたが、無理もない…彼等の眼中には「一日でも長く甲子園に残って銀シャリにありつく」ことしか無かったのだから。

      ●INDEX


      1回戦 :出場2年目の余裕?【vs日川高】
      2回戦 :野球はみんなでやるもの【vs桐蔭高】
      準決勝戦:大阪の恥さらし、やめて帰ってまえ【vs岐阜商】
      決勝戦 :六稜史に輝く甲子園優勝【vs芦屋高】
      さいごに:あれから50年【現役に贈る言葉】


      第2回選抜高校野球・優勝の
      北野ナイン
      1塁手梅田 明(62期)※主将
      2塁手市石 巌(62期)
      3塁手品川 潔(62期)
      遊撃手市村 博(63期)
      左翼手長谷川圭市(62期)
      中堅手兼投手山本次郎(62期)
      マネージャー三川保明(62期)

      ※以下は、残念ながら
      今回の座談会にお越し
      戴けなかった方々
      投手多湖隆司(63期)
      右翼手慶留間一(63期)
      捕手広瀬繁雄(62期)※故人
      監督清水治一(57期)



      収 録●Mar.14,1998
          山本次郎法律事務所にて
      取 材●菅 正徳(69期)、石田雅明(73期)、
          富田昌宏(78期)、谷 卓司(98期)


    Update : Aug.23,1998