菅 |
さて、開幕していよいよ入場行進。行進の曲は23年は「鐘の鳴る丘」でこの年は「異国の丘」でした。 |
山本 |
もちろん覚えてるよ「異国の丘」。 |
市村 |
去年に続いて2回目だから入場行進も慣れていたし。 |
梅田 |
そうそう…23年の開会式の時は全員バラバラのユニフォームだったね。 |
長谷川 |
品川君のは黒の縁取りだし、ボクのは黄色みを帯びたやつだった。 |
梅田 |
入場行進の予行演習の時はわれわれはほとんど学生服で参加した。ユニフォームは洗濯して干していたんだよね。大会役員から「ちゃんとユニフォームを着て貰わないと困る」と叱られたけど、事情を説明したら「そういう訳ならやむを得ない」と言われて。 |
長谷川 |
昔は胸の六稜マークもそれぞれ自分で作ったからバラバラでちぐはぐだった(笑)。23年に出たときは六稜マークと帽子とストッキングを買ってくれたが、マークは前の晩に自分で縫いつけた。今みたいに女子マネージャーなんていないし。ストッキングは線が2本入ったやつだった。「一中」やのになんで2本線やねんと文句が出たが、内藤さんが「13本揃って手に入るストッキングは、どんなに探してもこれしかなかったから」と言ったンだ。 |
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菅 |
そして、いよいよ1回戦。対戦相手は日川高校。この試合は確か4月2日に行われて北野が10-1と快勝します。先発投手は多湖ではなく山本でした。9回完投で奪三振10という記録が残っています。 |
山本 |
そのかわり四死球も7だった。ノーコン投手だよ。 |
市村 |
ジーやんから、先攻を取ったら1,2番はツーストライクまでバットを振るなという指示が出ていた。 |
品川 |
ボクは9番バッターだからデッドボールで出ても盗塁して死ね、次の回を1番からはじめよと、これも北野の戦術。 |
市石 |
バッターボックスにはいると日川のキャッチャーがハアハアと大きな息をしているのが聞こえるんだよ。このキャッチヤー、3番バッターの尾坂という大きな男だったが、それを聞いて「ああ、勝ったな」と思った。敵も相当あがっていたんだね。 |