お客様サービス課長としてMXTVに出演 大江戸線車庫で(H9) |
そのあと再び交通局に戻ることができて、はじめは部下なしの課長待遇で、今の大江戸線や三田線の建設の仕事を手伝いました。用地買収やら立ち退き問題やら工事の振動苦情の処理とかですね。1年ほどで、お客様サービス課の課長になりました。ちょうどそのころ、78期同期会の東京の会長になったんです。きっとそういう年頃なんでしょね。何人かで神楽坂で集まって、今ではホントに楽しい会になってきましたねー。
お客様サービス課の仕事の基本は、お客様本意のサービスという考え方ですね。この点が大切なの。電車なんかを動かすと、まず、安全にとか、定時運行をまもるとか、機材の点検とか、そういうことにまず発想が行くのよね。そうしたことは、お客様へのサービスの根幹なんだけど、そこだけではいけない。もっとお客様の立場に立ったサービスとは何かということを進める。安全のために、お客様に我慢してもらうという発想でなく、設備や施設を工夫してお客様の不便さも、危険性も除くにはどうしたらいいか、そこから出発しようと言うわけね。
そう言う意味では、仕事が面白くなってくるわけですね。それで楽しくって。その間に新宿−練馬間の開業もできたし。で、3年間、楽しくお客様サービス課の課長をしました。
次が、いまの電車部管理課長ですね。この4月でちょうど丸2年目です。仕事の内容は、交通局の都電、都営地下鉄、それと上野動物園のモノレールが電車部の管轄なんですけど、その中に、営業課長とか、運転課長とか、施設担当とか、開業担当とかいろいろあります。私の管理課長は、予算と人事ね。それとあと仕事の全体的な進行管理ね。それに、実際に去年の夏にあったのですが、電車部長が病気の時などはその代行もします。
管理職の仕事のポイントはやっぱり情報ですね。情報の取り方は、それこそいろいろ。いわゆる「飲みニケーション」も大切。もう一つは、仕事にたいする視点ね。自分の仕事を所与のものとして誠実にこなす。誠実というのはもちろん大切でしょう。でも、もう一歩前へ足と目を踏み出すことが大切。今の仕事をどうしたら変えられるか、もちろん、変える以上はなんのためにということが最初ですけど。そのためには・・・。って仕事を積極的に捉えることがもう一つあると思います。
採用当時の私の公務員志望の動機は、ある意味で全く不純だったわけよね。とにかく男女平等の扱いをしてほしい、そういう職場は公務員って。でも、ほんとうは公務員になると言うことについての、考え方というか理念というかそういうものについて、ある程度は見識を持っていてもらいたいですね。まあ、これは、私の反省を込めての後輩への話なんですけど・・・。
公務員というのは、公のために働く仕事なんですね。もちろん、比較的安定した職場として、生活のために就職すると言うことは、大切なことです。私もそうでしたし・・・。でも、社会のために働く。どんな職業でもそれなりに社会的な意味はあるのでしょうけど、最も直接的に「社会のために」という言葉がくっついてくるのが公務員の仕事なのですね。
例えば、あの阪神の震災の時、警察、消防を含め大変活躍したのが、神戸を初めとする自治体なんです。仮に充分でなかった点があったとしても、今度もし何かあったときには、市役所に行けば何とかなる。と言うように信頼される行政を作り上げていく。そうした社会のための仕事をしているんだ、ということを意識する必要があると思いますね。だからね、自分に何ができるか、何をしたいかということで選ぶ。そうすれば、公務員というのはやりがいのある仕事だと思いますよ。お役所仕事だとか、親方日の丸だとか、いろいろ批判はありますが、批判は批判として受け止めるとしても。