▲2006年3月4日から5日にかけて降った60年ぶりの大雪で、ポラントリュイはすっかりマヒ状態 雪かきをしなければ車も動かせない。 (ジュラ=大雪という印象らしいが、近年のポラントリュイでは年間を通じてほとんど雪が降っていない) |
クリスマスからは、学校、そして多くの会社も休みで、スイスの家族は揃ってスキー休暇に出かけたりする。 12月31日、日本で言う大晦日は、スイス・フランス語圏では聖シルヴェスターと呼ばれる。(ローマ教皇であり聖人に列されたシルヴェスター1世の命日)この日の夜は、家族や友人達を含め、大勢で集った方が楽しいかも知れない。11時59分を過ぎるとカウントダウンが始まる。零時きっかりには花火を上げ、「新年おめでとう!」と、皆が抱き合い、キスし合う。私は家族でしか祝ったことがないが、この瞬間だけは、見知らぬ人にもキスして良いそうである?! 日本のような、「正月らしい」風情はスイスにはまったくない。それに、1月3日から店も会社も休暇明け、平常通りに営業を始める。学校だけが、その週末までかろうじて休みである。
3月、春らしくなってきたかと思いきや、いきなりドカ雪が降ったりするので油断はできない。どんなに暖かくなっても、自動車の冬用タイヤは4月までキープしていた方が無難である。標高が高い地方では、雪は季節を問わず降ることがある。 暖冬が続いていたスイス、「地球温暖化の影響なのね! 昔はこんなに降ったのに……」と、スイス人の誰もが憂いを口にしていたここ数年だが、今年に限って言えば、文字通りの厳寒、ポラントリュイでも何度も雪が降り、毎日零度前後、冬らしい冬とは言え、少しうんざりしていた。そのこともあり、春を待つ行事でもある復活祭は、今年は特別楽しみにされていた。 復活祭は基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、年によって日付が変わる移動祝日である。クリスマスは毎年同日だが、復活祭の日によって他のすべてのキリスト教行事の日程が決まる。 イエス誕生を祝うクリスマスと並び、いや、それ以上に、十字架に架けられ処刑されたイエスが三日目にキリストとして復活したことを記念する復活祭は、キリスト教徒にとって大切な行事である。去年のクリスマスイヴのミサで、司祭が「クリスマスは復活祭の始まり」と言い、「もう復活祭の話かい」と参列者の間でウケた。真の意味は、復活祭なくしてクリスマスは成り立たない、ということだ。イエスが十字架に架けられ、処刑され、復活しなければ、神の子としてのイエスの誕生日=クリスマスを祝う意味がない、ということだ。
クリスマスギフト用のチョコレートがようやく商店からなくなったと思っていたら、今度は復活祭用チョコレートの登場だ。どのスーパーにも山積みで置いてあり、ウサギ型、卵型(卵にトリュフチョコが植わっているという凝ったものである)など、大きさも包装も様々。どうせあちこちでもらってくるので、我が子には敢えて買わない。親戚の子供達のために大量に購入し、復活祭当日まで壊れないように保管しておく。
どういう祝い方をするにせよ、春の復活を喜び祝い家族で集まることは、クリスマスに続き、何物にも替えがたい幸せをもたらしてくれるのである。 |