編集長と行く!ワールドアイツアー2007【オランダ編】その1 まえ 初めに戻る つぎ

風車と運河のある町、アルクマールへ



国際特急列車 タリス

パン・コーヒーはお替わり自由
 憧れのタリス(日本でいう新幹線)で、次の目的地オランダを目指します。胸を躍らせて乗り込んだワインレッドの車体の1等席。そこには航空機並のサービスが待っていました。お昼時には軽食が出ることを事前に知ってはいましたが、「サンドイッチか何かだろう」と思っていた私は、その内容に思わずニヤリ。なんとメインはローストビーフ!付け合せにポテトとブロッコリーの温野菜、そして焼きたてのパン2種類。チーズとチョコレート菓子、アイスティーと、立派な車内食。ワインレッドの制服を着たウェイターさんによるコーヒー・紅茶サービスもあり。至れり尽くせりの3時間でした。


ECN

 アムステルダムで在来線に乗り換えてアルクマールへ。駅から徒歩5分のホテルへ荷物を預け、小松さんが待つECNへ向かいました。晴天が少ない土地柄ですが、幸運なことにこの日はとても天気が良く、タクシーの運転手さんも「昨日は雨で、明日も雨らしいが、今日だけは良い天気だよ」と心なしか気分が良さそうでした。
 運河沿いを走ること約40分。大きな風車や研究施設が立ち並ぶECNへ到着。守衛室(セキュリティ)で名前を記入し訪問者バッジをつけ、待ち合わせの棟まで歩きました。


バス停にて。(左が小松さん)
 「はるばるこんな遠いところまで…ようこそ」笑顔で迎えてくれた小松さん。「全体が見渡せるところに行きましょうか」そう言って、丘の上へ案内してくれました。「今日は天気が良くてよかった。ここから全体が見渡せるので、ざっと説明しますね」研究施設をひとつずつ紹介してくれ、ここで記念撮影。帰りのバスの時間が迫っているから、と、太陽電池の研究棟を1つだけ見学し、アルクマール市内へと戻ることになりました。

ECNの様子、小松さんの研究については、『太陽電池と「低い国」と』でお楽しみください


オランダの代名詞、風車
 

葦の張替えのため一時的に羽根が外されている

アルクマール市内の案内図

『de Notaris』
運河を眺められるテラス席が人気
 オランダといえば風車。夕飯までまだまだ時間があるので、風車が綺麗に見えるところまで足を伸ばすことに。静かに流れる運河(厳密には、運河は流れるとは言わない…)と新緑がまぶしく、とても穏やかな場所に風車を眺めることができました。
 小松さんからお聞きしたのですが、オランダの代名詞とも言える "風車"は、今では趣味で保有するものになっているそうです。メンテナンスされていない風車は取り壊しの方針、なので、写真のような風車は、オーナーがメンテナンスしている風車といえます。ちなみに羽根が回る頻度は、オーナーの日ごろの多忙さと反比例するとのこと。私たち観光客としては、風を受けて優雅に回る風車をぜひとも観たいものですよね。

 風光明媚な景色を堪能した後は、アルクマール中心街の散策。教会や旧市役所、チーズ市が開かれる計量所前などを巡り、広場の一角にあるレストラン『de Notaris』(公証人という意味。『太陽電池と「低い国」と』第14話をご参照ください)のテラス席へ。小松さんいわく、「ベルギーはグルメの国、一方オランダは粗食の国」。「ベルギーでおいしいものをたくさん食べてこられた方を、オランダで食事にお連れするのは気が引けますわ。」とおっしゃっていましたが、他の店に比べダントツ人気のこの店、味にも期待できます。
ノンアルコールビール ヤギのチーズのサラダ・ウナギの白焼き(右)

 サラダと前菜を1品ずつ、メインをそれぞれ注文したのですが、野菜の上にヤギのチーズを溶かしたサラダ、前菜のウナギの白焼きともにとても食べやすく調理されていました。私がメインに選んだマグロのインドネシア風煮込みも日本人の私の口にとても合う!「かつてインドネシアが植民地だった歴史があるので、アジア料理も美味しいんですよ」と小松さん。なるほど。まさかオランダで美味しいアジア料理が食べられるとは思ってもいませんでした。

ライトアップされた運河
小松さんもお気に入りの一枚

 「日本語でこんなに話す機会は久しぶりやから、嬉しくて色々しゃべりたくなります」笑顔の小松さんは、ヨーロッパの歴史や、オランダでの生活について様々なお話を聞かせて下さいました。そのお話がとても愉快で、夜が更けて辺りが暗くなっていくのも気がつかず、私はいつまでも聞き入っていました。
 「日本にコーヒーを初めてもたらしたのは、オランダ人なんですよ」小松さんからトリビアを教えてもらいつつ、食後のコーヒーを味わったあと、アルクマールの夜景を楽しみながらホテルへ。運河の両脇に建つ家の明かりで運河が照らされ、とても幻想的な風景を写真に収めることができました。こうして小松さんとの緊張の初対面は笑顔で果たすことができ、アルクマールの1日を終えたのでした。


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Last Update: Aug.16,2007