3年7組 Y
【ホストとの家庭生活】
ホストファミリーは、1週目、2週目両方とも、とても優しく、気を使ってくれる人たちで、過ごしやすかった。
英語に関しては、最初は聞くのも話すのも一苦労だった。話すのは、慣れてくると少しずつスムーズに英語が出てくるようになった。しかし、聞くのはやはり最後までかなり難しかった。分からない時は何度も聞き返した。
家のなかでは“Make yourself at home.”の精神が徹底していて、冷蔵庫を自分で開けてよいし、風呂も勝手に入ってよい。自分の家と同じように、したいときにしたいことを自分でするというのが、アメリカの習慣なのだ。でも、あつかましくも洗濯をお願いしたとき、二つ返事でしていただいてすごく助かった。
ホストとの生活で一番感じたことは、おみやげを忘れてはいけないということである・・・そう、僕は日本に置いてきてしまったのだ。これからは気を付けよう。
【シアトルの街中】
シアトルでは住宅地は平面的だ。一戸建だらけで、マンションが無い。それに対して、街中は日本と同じか、それ以上に高層ビルが立ち並ぶ。繁華街では様々な店が立ち並び、またいくつかの店では、星条旗を掲げていた。別に政府の命令でやってるのではなく、自主的な行動だそうだ。
ゲームセンターにも連れていってもらった。中にあるゲームはそんなに日本と変わらない気がした。対戦型格闘ゲーム、レースゲーム、エアホッケー等だ。ゲーム機をみているとnamcoやSEGAといった見覚えのある会社が多かった。
また、mallと呼ばれる総合ショッピングセンターのようなものがたくさんあった。そこでは、食料、日用品ははもちろん、服、靴、化粧品、時計、小物、文房具、本、CD、などあらゆるものがそろっていた。僕も何度もいろんなmallに連れていってもらい、友達へのお土産とかを買った。
、街中を走っている車は、HONDA、TOYOTA、NISSANといった日本車が非常に多かったのも驚いた。
【ケントウッドでの学校生活】
ケントウッドは、7時50分始業の90分×4時間授業。ほとんどの授業で、生徒は飲み物を自由に飲んでもよい。お菓子を食べてもよい授業もあった。
2時間目の初めには、放送で全体連絡を行なうのだが、そのアナウンスも結構ひょうきんで、
「今日は、放課後全校集会をします。3時に体育館に集まりましょう・・・・・・みんな信じた?今日はエイプリルフールだぜ!」なんて言ってたこともあった。
その放送のあと生徒はみな立ち上がり、胸に手を当て、星条旗(各教室に1つづつある)に向かって「私は自由と正義の国、アメリカ合衆国の旗のもとで・・・」という誓いの言葉を述べる。こんなことを日本でやったらどうなるか、と考えると面白かった。
授業は、生徒が積極的で、質問も結構出る。
先生が黒板に書くことに対し、“Oh!”とか“Yeah!”といった反応を示し、授業をenjoyしようという意志が強く感じられた。
生徒は、人種的に、白人・黒人・ギリシャ系・中国系・東南アジア系と本当にさまざまだった。日系人もいた。最初、僕は絶対日本人だと思って、日本語で「こんにちは」というと、“What?”と聞かれてしまった。「人種の坩堝」というのを肌で実感した。でも、みんな僕に対してフレンドリーで、いろんな人と話が出来た。たわいの無い話から、中には、「僕は、コソヴォ問題におけるクリントンの姿勢についてこう思う。なぜなら・・・。」と話しかけてくる奴もいて、さすがアメリカと思った。
昼飯は校内の食堂でピザ、サンドイッチ、サラダなど何でも選べて、しかも留学生ということでタダだった。メチャうれしかった。
【クラブ】
僕は柔道部なので、ケントウッドでも柔道をやろうと思って、ちゃんと柔道着をもっていった。ケント地区では、柔道が非常に盛んだそうで、ケントウッド高校柔道部は何と部員数約50名!(ちなみに、わが北野高校柔道部はわずか6名)。
練習は、柔道畳がないので、レスリングのマットの上で行なった。練習は結構しんどいけど、冬の季節の4ヵ月くらいしかしないそうだ。強さのレベルでいえば、日本の方が圧倒的に上回っていると感じた。全米〜位というような人と組み合ったが、やたら強いということはなかった。
私たちの他に、日本の講道館から派遣された柔道留学生もいた。彼らの滞在は3週間だそうで、ちょっとうらやましかった。
僕はほぼ毎日練習に参加して、友達も一杯できた。最後の日、彼らから「Yamazaki」の名前入りのケントウッド高校のエンブレムをもらい、「これを柔道着に付けて、もっと練習してください。」といわれた。彼らの気配りがうれしかった。
【ダンスパーティー‘tolo’】
アメリカでは中学校ぐらいから、学校で行なわれるダンスパーティーがあるそうだ。”tolo”はケントウッド高校主催のダンスパーティー。男性は主にタキシード、女性はドレス。みんなここぞとばかりに着飾って、カップルで行く。
僕も、ホストの父親から背広と服を貸してもらって、Sさんと一緒にいった。女性の変わりようには本当に驚いた。昨日まで、Gパン、Tシャツスタイルだった子が、途端にエレガントになっている。男もタキシードをちゃんと着こなしていて、かっこよかった。みんなダンスがうまかった。
僕は、Sさん以外にも、何人かの女の子とチークダンスを踊った。僕は、女の子の腰に触れたりするなんて初めてだったので、緊張した反面、ちょっぴり(かなり?)うれしかった。
【映画】
僕は映画が好きだ。日本でもたくさん観ている。でも、困ったことがある。それは、映画について、話し合える友達がほとんどいないということだ。日本では女性はよく映画館にいくようだが、男性は余り行かないようだ。だから僕はいつも映画に関しては、欲求不満を抱えていた。アメリカでは、違った。たいていの人が映画を観ていて、“Have you seen 〜 ?”や、“Whose your favorite actor?”というような会話が、誰を相手にしても成り立ってしまう。滞在中に授賞式が行なわれたAcademy Awardは、日本で言うところの紅白歌合戦のように、みんなが観ているらしい。
僕はアメリカで、Academy Awardも観たし、映画館にも行った。さらに、ホストファミリーが映画のビデオをたくさん持っていたので、それも観た。アメリカでは、映画館は1人たった4ドル。ビデオは2000円程度だ。映画が大衆の娯楽、文化として、国民に深く根付いていると感じた。
【留学】
僕は2年くらい前から、アメリカ留学を漠然と考えるようになっていた。今回のホームステイで得たさまざまな経験を通して、その思いは非常に強くなった。さらに、今、新たに1つの夢を、僕は抱いている・・・・。それは、将来アメリカで「働きたい」・アメリカに「住みたい」という夢だ。ここには書ききれなかったけど、実際に体験したアメリカの人々、風景、空気に僕は惚れてしまった。これからは、その夢に向かって、英語だけではなく、幅広い知識や教養や思考力を、生活の中で少しづつ養っていきたいと思っている。
最後になりましたが、このホームステイに対し尽力賜りました先生方、僕の両親、そして僕を暖かくお世話してくれた、Frey家とNaoe家に感謝したいと思います。このプログラムが長く、いつまでも続くことを心から願っています。