さて、一方…同窓会としては断固反対の立場を取り続けてきた校舎改築問題が、前述のように、総体として「新校舎建設へ」と方向転換する潮流の中で、「同窓会館の建設も校舎の竣工に合わせてやろう」という気運が一気に盛り上がりました。それで5年前に新六稜会館建設準備委員会が発足したわけです。ここで北野の新校舎にふさわしい同窓会館とはどのようなものかを検討し始めたわけです。
また、新しい時代に会館の機能はどうあるべきかを考える機能検討委員会も生まれました。北野には明治の開校以来の記録や文書、文献類が8万点あると聞いています。某校で校舎新築の際に5万点もの記録が焚書されたという話を耳にして、北野では絶対にその轍を踏んではならないと思いました。そうした史料の保存も考慮に入れた会館でなければならないと思います。
いったい「北野らしい」同窓会館とはいかなるものか。
同期会のパーティ会場となりうるクラブハウス機能はもちろんのこと、歴史的史料の保存や研究ができるリソースセンター機能、セミナーや講演会の開催ができるカルチャーセンター機能、そしてそれら分野横断的な諸般の活動を連結し、複合的に束ね上げて、大阪を代表する「六稜文化」として全国に情報発信できるステーションの機能…。これら一連の活動を統括的にサポートする事務局の機能も強化・拡充する必要があるでしょう。
設計者についても、会館が新校舎と異質のものであっては困る…それで竹山君と何度も話し合って、彼に頼むことにしました。現在の最終案に至るまで、すでに同君には8回から9回もの設計変更をお願いしています。建造物の工期は「6ケ月もあれば充分」ということでしたから、施工監理も彼に頼むことにしました。施工業者については競争入札を原則として、公正にやりたいと思っています。
母校の緑化を図る植裁委員会もでき、ハードとソフトの両面から新六稜会館を創造しよう…と、あれやこれや考えて「3億5千万円」という数字がはじき出されました。これは他校の例と比較しても、決して安い金額帯ではありません。
いっぽう日本経済の現況は…みなさん実感の通り「厳しい向い風の時期」とさえ言えるでしょう。ですが、われわれが目指す内容的には、文武両道を旨としてきた北野の名に決して恥じない…「21世紀型の同窓会館」として応分なものを狙っています。
ぜひ、このことを会員諸氏にはご理解いただいたうえで、更なるご協力とご支援を賜りたい次第です。