校舎改築前史(3)
    未来に託せる夢を…
    山本次郎(62期)
    同窓会副会長・会館建設委員長


      今年の5月から会館募金が始まって、半年で1億5千万円という達成額はまずまず堅調だと思います。北野には個性派も多いが律儀な人も多い。年末調整を控え「冬のボーナスで募金しよう」とお考えの方も結構多いのではと思う。

      私の62期などは現役で仕事をしている人はもう20人いるかどうか…お金の出しにくい年金リタイア組がほとんどですが、それでも生き残っている人の半分以上が出してくれている。こうしてロートル組が走っていると「可哀想やからそろそろ抜いたろうやないか」という高橋尚子のような逞しい後輩たちが出て来ると思う。逆に、先輩方の中でも「ベルリンオリンピックの優勝者を忘れちゃあ困るぜ」という方が出て来るかわからん。アイデンティティの広く深いところがあるのが北野です。
      あと1年半…この調子で全力をふるえば、3億5千万円は達成できると思います。これが内閣の支持率のようにトーンダウンしては困るのです。今から胸突き八丁です。2001年の4月末までには2億を突破し、募金の延期申請をやる。後半戦のもう1年で、必ずや目標は達成できると信じています。

      募金運動をしながら、ふと想い出したのは、やはり120周年の『第九』のことでした。

      オーケストラ100人・合唱300人…あわせて400人の大所帯が「明日、フェスティバルホールで本番」という前の晩に、吹田市のあるホールでゲネプロ(舞台練習)をやった。お揃いの黄色いスタジャンを着たスタッフ(後輩)たちが、ロケットの発射点検のように律儀にテキパキやっていた。その中の一人がこういうことを言ったんです。

         音楽が始まります。一度始まった音楽は全楽章が終わるまで止まりません。途中で自分のパートが弾けない、吹けない、歌えない…という人が出るかも知れません。しかし『音楽は止まらない』のです。このことを、ぜひ肝に銘じておいて下さい……


      私は今、同じことを肝に銘じています。募金活動はもう止まりません。会館が立派に完成し、母校の創立130周年とともに、21世紀の同窓会活動の幕開けを飾る拠点として始動するまでは…もう誰にも止められないのです。


    Last Update : Dec.27,2000