僕は漢方と糖尿をやったでしょう…結局共通点があったんです。何かというと糖尿は今は生活習慣病と言われ高血圧とともに代表ですよねと、その生活習慣病が問題なんですね。漢方でいうと養生なんです。漢方もいろんな古典も読んでいたんですけど非常に薬をどう巧く使うかいうことも書いてあるんですけど、如何に人間は養生するかということも書いてあるんです。
ところが今の東洋医学界学術団体ね、そこなんか行くと、いかに養生するかということは付け足しやと、いかに薬を使うか、いかに針をうまく打つかということこそが、その本を権威づけるために、飾りとして養生のことを書いてあるだけで、この部分は勉強せんでいいというのが今の東洋医学会ですわ。
「 養生」とは「生を養う」ことであり、「生」とは「生きる」ことを意味しますが、生命や生活や人生を意味していると考えていただいて良いと思います。生命や生活や人生を養うこと、すなわち豊かで実りあるものに育てていくこと、それが「養生」ということになります。
現代医学は治療の方法を大きく二つに分けています。それは一般療法と特殊療法です。
一般療法とは、清潔、安静、栄養など病名や病状にあまり関わりのない基本的な治療法のことです。これに対して特殊療法とは、病名や病状によって決まる薬物療法や手術などのことです。
私の言う「養生」は一般療法にあたるものですが、東洋的な養生に現代医学による科学的な裏付けをしたものと考えていただきたいと思います。一般療法を医学やその周辺科学の進歩を取り入れて、充実させたものと言ってもよいかと思います。
この数十年、特殊療法はめざましく進歩しましたが、同時にその限界も見えてきました。遺伝子治療に活路を見出そうとしているようですが、それが期待どおりのものになるかどうかはまだ明らかではありません。
結局のところ、特殊療法と一般療法(養生)のバランスが重要なのではないでしょうか。心筋梗塞や脳出血などのような急を要する病気には、ただちに高度な特殊療法を施すことが大切です。しかし高血圧症や糖尿病などの生活習慣病(成人病)は、病状に応じて特殊療法が必要ですが、一般療法(養生)の方がより重要なのではないでしょうか。
癌もその経過を見れば慢性病です。癌は今日でもなお難しい病気ですが、それはこのバランスを忘れているからかもしれません。慢性の経過をとり死期が割合に明らかな癌は、考えようによっては悪くない病気です。十分に死の準備をすることができますし、養生も治療(特殊療法)も存分にすることができます。
二十一世紀はこのバランスが回復され、医学と周辺科学の進歩を取り入れて充実された一般療法(養生)が特殊療法とともに重視されるようになるのではないかと考えています。このような立場から「旬」というものを考えてみようと思いますが、「養生」の基本の一つに「旬を楽しむ」ということがあります。
僕は逆に取ったんです、大体が大勢の人が言うことは信用しないというかね。僕は逆やと、これは薬のことが一杯書いてあるけどその前の部分が飾りで付け足しやという部分こそがやっぱり一番大事なんだと、だから糖尿病でも結局薬も要りますけど食事や、運動そういうことの方が大事やと繋がったんです僕の中では。僕は糖尿病の教育というのは一杯やったんですよ、熱心にやったんですよ教育入院とかあるでしょう、1週間とか、2週間とか入院させてやるのもあるし、それから糖尿の患者会つくってそこでいろいろ指導するとかやったんですけどもね、あんまり効果ないんですよ。都会の病院の中でずっとそういうことをやっていても効果はない。
もっとじっくりやる指導教育を、そういうことがもっと充分やれるようなそういう施設を造らなあかんなと、そのときにたまたま、薬屋さんが持ってくるヘキスという会社が持ってくる映画ですわ、16ミリの患者さんの教育に使うんです。それをたまたま見ていたらドイツの病院が出てきたんですよ日本でも昔あった結核療養所みたいなものです。郊外にあってごつい森の中にあったりしてバレーボールのコートがあり、花壇ががあってね、日曜大工みたいなことができるとかそんな病院が出てくるんですよ。僕それを見ておってやっぱり自然がなかったらいかんし農園がないかなと食べ物を作る、そういうようなことができるような入院施設がいいなと思ったんですよ、同時に養生という立場から農薬の問題とか、食品添加物の問題なんかも考えていたから、よくよく自分で自給するようなことも考えていたし個人的にもね、それを入院施設と一緒になったんです。
養生言うのは生を養うと書くわけですね、養う生と書いてありますね、生いうのは生きるということですけども、生命を養うという意味でもあるし生活を養う、人生を養うという意味でもある生きていることを養っていく、より充実させていくと言うか育て上げるというそういう意味ですよね。だから自分自身の生命力とか、健康度とかいうものも高めていくし、自分自身の生活とか、人生というものをより充実さしていくていうような意味と捉えているんです。
本来人間にしろ生き物いうのは健康に生き続けるものとしてできているというかね本来は、それは生命力とか、自然治癒力とか、抵抗力とかという言葉で表されたりするんですけどもそれをできるだけその活発にしてやろうと、元気にしてやろうとそういうことが養生ということです。そうすると食は命なりですけども、食べ物が一番大事だとまず最初にね。なぜか言うと私たちの体というのは、つくる原料は食べ物なんですね、口から入れる物、水もそうですねこれが私たちの体をつくる原料になっていると脳もそうなんですね、脳も当然体の一部ですから脳も子供の時から段々出来上がっていく時に何を食べたかと、インスタントラーメン食べてコーラばかり飲んでおってどんな頭になるかということですよ簡単に言うと。
体をちゃんとつくっていくときに食べるべき物があると、人間は元々雑食なんですよ何でも食べたというか、どちらかというと小動物とか、昆虫なんかも捕まえやすいから結局人間食べていたと思うんですけどね、そういうことを含めて現代栄養学の立場からどういう物を食べるかということを大事にしたい。
例えば私たちの血液はね、120日間の寿命なんです。だから、きょうできた血液は120日経ったらつぶれるんですと。毎日毎日120分の1づつ作っては入れ替わってるんですね、ちょっとづつね。だから、過去4ヶ月間に食べたもので今の血はできているんですと。そやからもう、養生所で例えば2ヶ月こういうきちんとした食事を2ヶ月食べたら、半分の血は変わるんです。いうような話を僕はするんですけどね。
全身という意味で言うと、ざっと1000日ですと、3年。骨も歯も。別に歯が抜けるわけやないしね、骨が入れ替わるわけじゃないし。そんな意味じゃなくて、それを作っている成分というか、材料がちょっとづつ入れ替わっているわけです。新陳代謝っていうね。ちょっとづつ入れ替わりながら骨も歯も生きているんですよ。全身が全部入れ替わるには3年かかる。石の上にも3年言うんだから、3年間ちゃんとしたもん食べてみなさい。すっかり元気になるっていうような話をするんですけどね。そういうように、とにかく自分の身体を作る重要な材料だと食べ物を見てね。ちゃんとしたものを食べましょう、ということですね。それとエネルギーでもあるからね。