小説は、死後20日目に第3回サントリー・ミステリー大賞を頂き、右も左も分からないのに独りで授賞式のため上京。受賞会場のホテル・オークラに「理研」の親友酒井佳子さん(故九州男氏夫人)がご主人単身赴任を幸い駆けつけてくれ、朦朧状態の私に付き添ってくれました。
翌朝、テレビ朝日のワイドショーに、作者死亡後の受賞ということでチラッと出演させられたのを北村芙佐子さん(高校当時は同じ服部の住人)が見ていらして、卒業後初めての電話をくださいました。
ABC『部長刑事』で篠田三郎さんと |
思ったより大きな記事に、こりゃ、書けということやんかと早トチリして必死で書き上げました。プロデューサーは書けるとは全く思っていなかったようですが、喰らいついてやっとオンエア。夫の死という人生最大の不幸が、思ってもみなかった私自身がシナリオを書くという無謀なきっかけになりました。
地べたを這うように「部長刑事」のほか、毎日放送の昼ドラ「ぐるめ家族」、関西テレビの「123と45ロク」などを書き、芝居の脚本にも手を染める幸運に恵まれました。