関大は今年、7万9,919人の学生が受けてくれた。受験料35,000円払うてくれるから相当のお金が入ったわけ。だけど少子化でだんだん子供が減ってくるからね。ところが4年制大学は戦後の48大学が12.5倍にも鰻登りに増加して604大学もある。そのうち私立大学が444あって…将来に向けて存続の危機が予測されている。
今や大学も「冬の時代」突入で、経営陣は頭痛・鉢巻き状態。教授陣やキャンパスのアメニティの充実に加えて、通信教育や遠隔授業、補習教育などにも余念がない。今までにない需要に応じて、もろもろのメディアを検討の対象にしている。確かに、現行の「教室と講議」というスタイルを超える発想は魅力的かも知れないが、途方も無い費用がかかる。
たとえば、CS放送などを活用した教育事業。情報テクノロジーの適応進化で時空の制約をなくした自己教育の手段であることは検討課題のひとつだけれど、しかし現実に「書に親しみ見聞を広める」べき学生が、テレビのブラウン管を前にして勉強するか、どうか。だいたい大学で勉強せん奴はできるだけ勉強したくないと思ってるんだから(笑)。まして私大はそう。
いったい学生がマイテレビを持ってる率がいくらと思う?35%。家にTVがあっても占有するわけにはいかないし、おまけに視聴に費用がものすごくかかる。専用のパラボラアンテナを立てないといけない。しかもDirecTV!とSky PerfecTVとでは、ちょっとずつアンテナの角度が違う。住宅によっては建物の影になって衛星から電波が届かんところも出てくる。
受け手が大学の学生で、まんべんなく公平に知識が得られる…という原則から外れてしまうからね。ぼくのような客観的な立場の人間が、しっかりと世俗的な意見も言わないといけない。
スポーツ全部見たい、映画を見たい…これはええですよ、まだ。ところがチャンネルがたくさんあるから、裸とギャンブルも同居してるわけです。そんなもん…勉強せん学生、すぐそっちのチャンネルに変えてしまうでしょ(笑)。学生の身になって考えんと…誘惑が多すぎる。賢者ばっかり集まって「いざ、鎌倉!」みたいなこと言うても、そう簡単にはいかん。
そういう風なことが現実世界では一杯あるわけ。それを勉強するために…ぼく、鞄が要るわけ。そんなことまで、いちいち暗記できないから(笑)。
それから先生がえぇ。勉強はものすごく厳しいけどね。怖いけど…コンパスで頭コツンとやってもやね、生徒を励まして良い答えを出させる先生が一杯おられたわけ。今は教育後援会とか…どんな組織になってるか知らないけど、昔はやっぱり選り優りの先生方がおられた。生徒以上に選り優りの先生方がね。そのトップの校長先生が悪いわけないと思うよ。北野中学の先生に悪人はおらんかった。
ともかく、ぼくね。大学に入って胸はって学生生活をエンジョイできたのも、充実した会社生活を精一杯、悔いなく満了できたのも、これらの先生のおかげやと思ってる。先生には恵まれた。だから先生の悪口だけは言えないよ。そこへ、みんなが田村さんの悪口を口を揃えて言うから…ぼくは鼻持ちならない気持ちで聞いてるわけ。ぼくは、今でも田村校長がいい先生やったという気持ちで一杯なんだ。
今の北野は昔と違って勉強のできる奴ばっかり…でもないと思うから、いいと思うよ。偏りがなくてね。勉強のよくデキる学校(Top Highschool)というよりも、よい学校(Good Highschool)であって欲しいね。いつの時代でも「良き師、良き友」が一番大事なんだから。勉強以外の何か…Something +αが大事。それがある学校でないとダメ。そういう意味で、今も昔も北野は恵まれてると思うよ。