笹部桜考(27)
笹部新太郎ゆかりの桜(2)
荘川桜
岐阜県大野郡荘川村
小林一郎
(78期)
樹齢450年といわれる全国的に知られる二本のエドヒガンの巨木。幹周りは6メートルを超えています。国道156号線脇の御母衣ダム湖を見下ろす地に植えられています。湖底に沈む村からの移植の物語は本文で取り上げていますのでここでは取り上げませんが、そばに近寄るとその大きさに圧倒されるとともに人と自然との不思議で不可分な関係に思いが巡ります。高山から白川郷への通り道にあるのですが、昨年東海北陸自動車道が開通したので観光バスなどのルートから外れるかもしれません。荘川村、岐阜県はこの桜を観光資源の一つとして充分な整備をしています。すぐそばに記念碑や案内板がありますが、それには笹部氏や丹羽氏の名前は出て来ず、高碕氏の扱いも小さめです。地元の有力者や水没した村の代表者が大きく取り上げられているのは当然としても少し寂しい感じがします。
電源開発株式会社広報室より訂正の依頼がありましたので、ここに引用転載いたします(Jan.17,2001)
本文中で荘川村、岐阜県がこの桜を観光資源として充分な整備をしているとの記述がありますが、この荘川桜はその敷地とともに、弊社(電源開発株式会社)の保有する設備であり、移植以来今日までダムおよび発電所を管理する御母衣電力所で維持管理をしております。
岐阜県により県の天然記念物として指定され、また地元荘川村でも村のシンボル的な存在となっていることから、両者で管理していることと理解されたことと思いますが、事実は異なります。弊社としてもこれまではあまり本件に関し、表示してこなかったことから、誤解を与えても致し方ない面があることと認識しておりますが、何かの機会にでも訂正ならびにご紹介いただければ大変ありがたく存じます。
なお、2001年4月27日には、ダム正面に御母衣ダム、発電所ならびに荘川桜移植にかかるエピソードを紹介するPR館を開設する予定です。もちろん、弊社高崎元総裁や笹部新太郎翁の功績、丹羽氏の紹介をするパネルや映像は、展示内容の中心的位置づけとして扱われておりますので、機会があれば是非ご来訪いただければ、幸いです。
Last Update : Feb.23,2000