松村 博
(74期・大阪市都市工学情報センター常務理事)
十三橋は、成小路村の村民13人の共同経営として橋を架ける許可を取り、半年ほどの工事によって11年7月に完成しました。もちろん木橋で、長さが171m、幅が4mの規模を持っていました。工事費は3500円であったということです。私設の橋でしたから当然有料でした。通行料は「人及び人力車=3厘、牛馬及び荷車=4厘」と決められました。当初の計算ではおよそ5年で償却できるはずでしたが、利用者が少なかったのと修繕の費用がかさんだため、3年間延長されました。それでも償還のメドが立たなくなり、明治19年には大阪府に移管され、通行は無料になりました。このように有料橋の経営はいずれも苦しいものだったのです。