2018年度・六稜同窓会145周年総会のご報告

秋晴れの爽やかな天候に恵まれた平成30年10月 28日(日)、六稜同窓会145周年総会が開催されま した。幹事を務めたのは我々 99期。一年間じっく りと準備を重ね、当日は239名の同窓生をお迎えし、 トラブルなく会を遂行することができました。様々 なアドバイスをいただきました事務局と98期の先 輩方には感謝を申し上げます。

【第一部総会】  司会の徳岡 浩二総務委員 長(92期)によ る開会の辞に 続き、吹奏楽 部現役の皆さ んが素晴らし い演奏を披露。大先輩である手塚治虫先生の代表 作『鉄腕アトム』の主題歌や、『UFO』『魅せられて』 『シクラメンのかほり』『襟裳岬』などの名曲メドレー に会場が大いに沸きました。
続いて上田成之助同窓会会長(80 期)からのご挨拶では、六稜同窓会 の会費収支が3年連続で単年度の黒 字決算を達成することができたとい う報告が。しかしながら、母校の発展に寄与する ための基金のうち『教育環境整備基金』が大変苦し い状況にあるため、会員様から継続的な支援をい ただきたいというお話がありました。
名誉会長の恩知忠司校長先生から 賜った祝辞では一年生の陸上部員が国 民体育大会に砲丸投げで出場し日本一 に輝いたというお話があり、会場からどよめきが。 北野高校の文武両道の精神が、今でも引き継がれ ていることが伝わるエピソードでした。
その後、同窓会常任理事の紹介をはさみ、笹川 忠士事務局長(74期)から事務活動報告がありまし た。2018年3月の卒業生317名を新た に会員に迎えたこと、若い方にも同窓 会に参加していただくためのプロジェク トチームを作ったこと。さらに、150周 年記念行事についても話をされ、学校、PTAと連 携しながら企画を練っていきたいとのことでした。

【卓話】
司会は99期の笹川顕子さんが務め、今回の卓話 者である水口裕之さんをご紹介。水口さんは北野 高校を卒業後、大阪大学薬学部に入学。卒業後は 同大学大学院薬学研究科博士課程を修了され、国 内外で研究員として活動された後、2008年に大阪 大学大学院薬学研究科教授に就任されました。こ の日は『遺伝子、ウイルス、iPS細胞と“くすり”』をテー マに講演。遺伝子の基礎的な説明から、遺伝子と ウイルスを “くすり”にする遺伝子治療、ウイルス療 法の現況、iPS細胞の医薬品開発への応用に関す る研究動向について分かりやすくお話ししてくださ いました。また、血液がんの治療に光明をもたら した “CAR-T 細胞療法 ”といった遺伝子療法の実例 解説もありました。
終了後は、水口さんと 陸上部で同期だった孫美 穂さんから花束の贈呈が。 「阪大生の間では年の割 にイケメンだと言われてい るそうです」という孫さん の一言に会場から笑いが起こりました。ちなみに、 卓話からひと月も経たない11月22日、水口さんた ちの研究グループが人のiPS細胞から小腸の一部を 育てることに成功したことが新聞で取り上げられま した。飲み薬は小腸で吸収され、肝臓を経て全身 に行き渡ります。すなわちiPS細胞で再生した小腸 は新薬開発の際、治療効果を調べるのに大きく貢 献するそうです。

【第二部懇親会】
卓話終了後、六稜会館3階ホールに場所を移して の懇親会、司会は99期の三好鉄弥さんと堀口由紀 さんが担当。そして、最年長91歳の羽間平安さん(58 期)による高らかな乾杯のご発声ととも に開宴となりました。懇親会は新たに 同窓会会員となった130期の歓迎会で もあります。新会員を代表し、花田毅 己さんが「素晴らしい先輩方が築いてこられた同窓会 の一員として頑張っていきたい」と挨 拶されました。若い皆さんのパワーで、 今後も同窓会を盛り上げていってい ただくことを期待します。

〈アトラクション〉
今回、我々 99期が掲げた企画テーマは『北野流、 変わるものと変わらないもの』。公立高校ながら独 自の路線を貫く北野高校。もちろん、時代ととも に変わるものはあれど、戦前から連綿と受け継が るものも数多くあります。それらを後輩たちにも伝 えていきたいという思いをテーマに込め、アトラク ションを企画しました。
まずは、今回の懇親会を牽引してくれた、毎日 放送で人気帯番組のチーフプロデューサーなどを 務める村田元さんの編集によるスライドショー『相 変わらずで145年』を上映。このスライドでは “春 の球技大会 ”“水泳大会 ”“体育大会 ”“断郊競争 ”な ど北野高校でずっと変わらないものを、現在から 戦前まで、卒業アルバムの写真で遡るという手法 で紹介。各時代における十三のトピックスを挟み、 時代にマッチした音楽挿入するという演出がスライ ドをいっそう盛り上げていました。
スライドショーの後は歓談をはさみ、次の企画『北 野高校あるあるランキング』へ。こちらは、第一部 の総会前にあらかじ め取らせていただい た「北野高校で一年間 のうち一番しんどかっ た思い出は何?」など 3問のアンケートの回答の票数を、ランキング形式 で紹介するというもの。そして、各問とも3位から 1位まで紹介した後は、アンケートに答えていただ いた方対象の抽選会を実施。プレゼントは、北野 高校で使われているのと同じ縄跳びやラジオ体操 のCD、我らが99期の有働由美子さん著「ウドウロ ク」、手塚治虫先生のグッズなどを用意。少し遊び 心の効いた抽選会となりました。
〈お楽しみ抽選会〉
毎年恒例のお楽しみ抽選会はまず、北新地 「ちょいとBar 山田屋」マスターの山田功一さん提 供によるビールと高級缶詰の “ちょい飲みセット”を 2名様にプレゼント。
次に、兵庫県の但馬を拠点に宿の集客アドバイ ザーとして活躍する松本裕子さんが用意した“米(武 勇田)”、“但馬の海の幸セット”、“但馬牛「但馬玄」 セット”を計5名様に。当選された方は両手を挙げ て喜ばれるなど、会場は熱気で包まれました。

〈エンディング〉
次期幹事学年の 紹介では、100期の 方々 4 名が登壇さ れ中川博文さんが 「来年もいい総会、 懇親会を開催でき るよう準備を進めてまいります」と意気込みを語られ ました。
校歌斉唱では、在校時にバンドでキーボードを 担当していた鵜飼 裕子さんが指揮を とり、オーケストラ 部出身の川上泰隆 さんがピアノ伴奏を 担当。そして、バン ドでボーカルを担当 していた前田裕美さんの美しい歌声にリードされ ながら全員で歌い上げました。
さて、こちらも毎 年恒例の応援エール。 今 年 は、 様 々 な 運 動部出身のメンバー が 有 志となり『エー ル戦隊!ゴオウエン ジャー』を結成。メンバーはラグビー部出身の山田 功一さん、野球部出身の辰巳知行さん、バレーボー ル部出身の木村直照さん、合気道部出身の太田嘉 幸さん、陸上部出身の生田研一さん。各部のユニ フォームをまとった5名のエールに合わせ、会場の 皆さんも「フレーフレー北野」と手拍子。全員がひ とつになったひとときでした。
最後に野村正朗同窓 会副会長(82期)から、 懇親会へのお褒めの 言葉と、来年の幹事 100期への激励をいた だきました。そして、全 員で記念撮影をし無事閉会。
来年以降も同窓会が盛大に開催されることを祈 念するとともに、改めて、同窓会事務局の皆様、諸 先輩方、当日お手伝いいただいた99期の皆様にお 礼を申し上げます。 ※99期生は旧姓で表記させていただいています。
文・濱野希世(99期) 写真・加治木一彦(99期)