Ⅰ.日時 | 2020年2月19日(水)11時30分~14時 |
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Ⅱ.場所 | 銀座ライオン7丁目店6階 |
Ⅲ.出席者数 | 40名 |
Ⅳ.講師 | 紫冨田 薫さん@87期 (株式会社コングレ 専務取締役コンベンション事業本部長)
1956年生まれ。北野高校(ソフトボール部)、大阪大学文学部卒業。サントリー株式会社 大阪秘書室勤務を経て、大手コンベンション会社に勤務。1990年に株式会社コングレの設立に参画。現在に至る。株式会社コングレ https://www.congre.com/1994年国際エイズ会議、2007年日本医学会総会、2012年IMF・世界銀行年次総会、2016年G7伊勢志摩サミット首脳会議など国内外のコンベンションの企画運営に従事。国際的なPCO(Professional Congress Organizer=国際会議運営専門会社)の組織であるWorld PCO Alliance のSecretary Generalもつとめる。2021年に長崎駅前にPFI事業で建設・運営するMICE施設「出島メッセ長崎」の特定目的会社のメンバーとして準備中。
4年前より「スポーツビジネスジャパン」「ジャパン・ドローン」という展示会+講演会を主催事業として開催。 スポーツビジネスジャパン http://sportsbusiness.jp/ ジャパン・ドローン http://japan-drone.com/ |
Ⅴ.演題 | 「G7サミット、G20をサポートして――MICEを通じたまちづくりにも関っています!」 |
Ⅵ.事前宣伝 | MICE【Meeting(会議・セミナー), Incentive travel(報奨旅行), Convention(国際会議・学会), Exhibition(展示会) & Event(イベント)】という言葉をご存知でしょうか。国際会議というと皆さんの頭にまず浮かぶ国連の会議や、G7・G20等を陰で支えているのは私たちPCO(Professional Congress Organizer)なのです。近年は人口減少等の対策として「MICE」を誘致・開催することによって交流人口を増やし、新しい産業として地域の活性化を図る取り組みが各地で行われています。環境、エネルギー、AI、医学・医療、スポーツ等さまざまなテーマの国際会議を支えることから、まちづくりや都市・地域の活性化にまで取り組んでいる私たちの仕事の魅力やエピソード(?)をお伝えしたいと思います。 |
Ⅶ.講演概要 | 新型コロナウィルス感染拡大が連日大きく報道され、不要不急の外出が控えられる風潮の中、それでも40名の同窓生が集まった。配付物は無く、88面のスライドを見ながらの講演となった。講師の紹介者は82期の植村和文さん。2021年11月開業のMICE施設「出町メッセ長崎」を一例に事業内容が簡単に紹介された。
01.コングレの紹介⑴設立の経緯と事業内容 ・サントリー(株)役員秘書を経て、新聞の募集広告がきっかけで国際会議を運営する仕事に従事した。そののち自分たちで理想の会社を作ろうと1990年に有志が集まって(株)コングレを設立した。 ① 会議 ② 施設 ③ まちづくり ④ 主催事業 ⑵事業の歩みについて(1990年~) ・スタッフ業務 事例1)博覧会・イベント(愛・地球博、上海万博、ミラノ万博、世界規模の大型スポーツイベント) ⑶事業の歩みについて(1990年代半ば~) ⑷事業の歩みについて(2000年代~) ・既存の施設運営だけでなく新たな施設の整備に際し基本構想や設計の段階からコンサルとして事業全体に関わるようになり、さらには自前のMICE施設を提供し、まちづくりそのものにかかわるようになった。
⑸事業の歩みについて(2013年~) 02.PCO(Professional Congress Organizer=国際会議運営専門会社)とは・政府系国際会議の場合、会議を運営しているのは各省庁の職員だけではない。PCOが陰でサポートしている。 03.MICE開催の意義と地域・MICE(マイス)とは下記の頭文字をとったもの。 ・MICEという用語は比較的新しいが、事業そのものの歴史としては1964年の東京オリンピックにまで遡る。1970年の大阪万博等の博覧会や、パシフィコ横浜など全国のMICE施設の建設もMICE事業に拍車をかけた。 ・今話題のIR(統合型リゾート事業)においてもMICE施設を建設する事が事業の条件となっている。 (1) MICEを開催する事で、新しいビジネス機会が創出される。 (2) 地域へ大きな経済効果をもたらす。 (3) 国・都市の競争力・ブランド力が向上する。 ・G20福岡では会議関係者・メディア向けに「福岡市・九州経済連合会主催歓迎レセプション」が会議に先立って開催された。福岡のソウルフード(お寿司・ラーメン)をふるまい、九州の伝統工芸品を実演作成して、福岡の魅力をアピールした。 (4) 人材育成・市民参画(ボランティア)による地域振興 (5) MICE業界についての海外での評価 ・カナダでもこうしたMICEの重要性が理解されており、開会式ではトルドー首相のウェルカムビデオメッセージが届けられた。 04.事例紹介(会議編)⑴福岡G20(2019年6月8・9日)財務大臣・中央銀行総裁会議 ①福岡市の事前の取り組み ・キャッシュレスFUKUOKA ②財務省主催の会議期間中の取り組み(地元関連事業) ③福岡市の事後の取り組み ⑵軽井沢G20(2019年6月15・16日) ・プレゼンテーション映像を映す参加者の前のモニターはLEDを利用した。休憩時間等には日本の四季の美しい映像を動画で投影し、好評を得た。 05.事例紹介(施設編)~名古屋国際会議場(NCC)~名古屋市から指定管理者として選ばれ、運営を始めて3期目になる(活動して10年以上) (1) 吹奏楽 (2) ポップカルチャー (3) デザイン 06.事例紹介(主催事業編)スポーツビジネスジャパン2019(さいたまスーパーアリーナ)でSDGs(注2)に取り組んだ。 (1) スポーツ&SDGsのセッション(NPO法人『Being ALIVE Japan』) (2) 環境への取り組み (3) 展示 ブースごとに取り組んでいるSDGsの17の目標を紹介し、SNSで発信した。 07.おわりに人が集まるところに町が発展する例として、これまでは、神社・仏閣の前に門前町、お城を中心に城下町があった。現代ではMICE施設や大学が中心となって人の交流が始まり、町が出来て経済活動が行われるようになる。新しくハコモノを建設しなくても、公園や廃校など既存のものを利用しても、人が集まる仕組は出来る。東京オリンピック2020の施設もレガシーとして将来、人の集まる施設になってゆくことが期待される。 SNSなど便利なツールを利用するようになっても最終的には人と人が顔を会わせて直接交流する事が重要である。 そうした「場」を今後もつくっていきたい。 08.質疑応答質問)今日は場を作る仕事を中心に、参加する人がワクワクするような、楽しいアイデアに富んだ実例を沢山見せて頂きました。そのアイデアの源は何でしょうか? 回答)社員だけで全てのアイデアを出すのは限界があります。クライアントさんの要望からアイデアを貰ったりしますし、ネットワークのあるいろいろな分野の専門家にも相談します。国際的な交流の場で目にする海外の事例もヒントになります。
*注1* *注2*
【Ⅶ章記録:野田美佳(94期)】 |
Ⅷ.資料 | なし |