第24回 「歌を絵にする(歌謡大賞の舞台裏)」  三原康博さん@68期

reporter:峯 和男(65期)

    日時: 2004年12月15日(水)11時30分~14時
    場所: 銀座ライオン7丁目店6階
    出席者: 53名(内65会会員:江原、正林、山根、峯)
    講師: テレビ日本美術家協会理事長 三原康博氏(68期)
    演題: 「歌を絵にする(歌謡大賞の舞台裏)」
    講師紹介: 68期卒。東京藝術大学・美術学部工芸科図案計画卒後TBS入社。1997年同社退職後クリエイティブ・メディア・エ イジェンシーと美術プロデューサーとして契約。現在はテレビ日本美術家協会理事長の他名古屋芸術大学・声楽科ミュージカルコース特別客員教授。TBS在職 中は「サウンドイン・S」「ザ・ベストテン」「東京音楽祭世界大会」「報道特集」「はなまるマーケット」等のテレビ番組の他「美空ひばり35周年記念」 「山口百恵ファイナル武道館」等舞台美術多数。1974年、85年には「輝く日本レコード大賞」で伊藤熹朔賞・本賞受賞。
    講演内容:
    (要点のみ)
    (1)自分の仕事は舞台美術なので口頭では説明し難く、本来このような場で講師を引き受けるべきではないが、東京六稜会の志甫会長は嘗ての職場の先輩であ り、毎月講師を探すのに大変苦労しておられるようなので、多少なりともお役に立てればと思いお引き受けした次第。医師の講演のように皆さんのお役に立つ話 には一切ならないので予めご諒承頂きたい。

    (2)大学卒業後TBSに入社したが始めの10年間は見習い期間のようなものなので実際に仕事をしたのは30年位。この間、ドラマ以外の報道、音楽関係の仕事を行なったが、自分としては音楽関係の仕事の方により一層の興味を持った。

    (3)情報系では「はなまるマーケット」「報道特集」等があるが自分の仕事の中で代表的なものは「日本レコード大賞」「東京音楽祭世界大会」であり 1974年と85年の「日本レコード大賞」の舞台セットで伊藤熹朔賞を受賞したのが記憶に残る業績と言える。

    (4)舞台美術は映像で説明しないと理解出来ないが、偶々自分がTBS退職の際「ザ・ベストテン」のディレクターが、自分の在職中に行なった仕事の集大成のようなVTRを作成し、退職記念品として贈ってくれた。

    (5)本日はそのVTRをご覧頂き、どんなことをやっていたのかをご理解願えればと思う。VTRは約30分間で、いろいろな場面が短時間次々に出てくるが、この中で武道館で行なった仕事が非常に印象に残っており自分としては一番楽しかった。

    (6)即ち、TBSのスタジオや帝劇等で収録する場合はいろいろな制約があるが、武道館はもともと音楽をやるところではないので劇場設計になっていない。 従って、先ず劇場にしなければならず、これが非常に楽しかった。費用はかなりかかったが制約無しに自由に出来たことが良かった。(帝劇などは緞帳や防火 シャッターなどがありそれ自体が制約になる。)

    (7)「日本レコード大賞」では、先ず司会の板東英二と和田アキ子が現れ、次に何もないところからセットが現われるような演出をしたかった。(このセットで伊藤熹朔賞を受賞した。)これからVTRをご覧頂きながら、随時ご説明を加えさせて頂きたい。

    (報告者注)
    この後約30分間のVTRで数々の名場面があり、山口百恵、桜田淳子、松坂慶子、坂本冬美、加藤登紀子等‥の懐かしい映像が展開された。最後に、講師は NHKではないのでコマーシャルさせて頂きたいとして、現在関係している仕事、即ちTBSで平日の12時から13時迄放映されている「マル特情報・とって もインサイト」を是非ご覧頂きたいとのコメントがあった。