reporter:峯 和男(65期)
日時: | 2004年3月17日(水)11時30分~14時 |
場所: | 銀座ライオン7丁目店6階 |
出席者: | 77名(内65会会員:国政、正林、峯) |
講師: | 毎日放送(株)社長 山本 雅弘氏(71期) |
演題: | 「放送とは何か テレビ放送開始50年に当たっての新たな構想」 |
*講師紹介: | 昭和39年京都大学卒業後毎日放送入社。殆どテレビ部門の業務に従事。平成14年より現職。 |
講演内容: (要点のみ) |
(1)先ず簡単に放送の歴史を振り返ってみる。最初のラジオ放送開始は1920年11月、米国ピッツバーグから。丁度、第29代米国大統領選挙が行なわれ、ハーディングの当選を米国民はラジオを通じて知った。
(2)日本においては1925年、東京・大阪・名古屋でラジオ放送が開始され、後にこれら三社合併によりNHKが設立された。また昭和26年9月1日、大阪で新日本放送(現在の毎日放送)、名古屋で中部日本放送が設立され、民間放送が開始された。 (3)テレビは昭和28年2月1日NHKが放映開始。当時の国内受信機台数は866台であった。同年8月末、日本テレビが放送を開始したがこの時の台数は 3,500台であった。その後国民的行事と共に台数は増え、昭和34年ご成婚パレードは15百万人がテレビを見たと伝えられている。次いで昭和39年東京 オリンピックは97%の国民がテレビを見た。その後、次第にテレビのカラー化が進み昭和45年の大阪万博に至る。現在の国内テレビ台数は12,600百万 台、一人一台以上の保有台数となっている。 (4)上記の如く昨年で放送開始50年を経過、昨年12月1日には地上波デジタル放送が開始されたが、これを第3の開局と称している。第1はテレビ放送開 始、第2はテレビのカラー化、第3がデジタルである。デジタルは放送に大きな変化をもたらす。放送局の存立にも関わる程の変化と言い得る。そういう時期に 来ていると認識している。 (5)2011年7月24日で現在見ているアナログ放送は見られなくなる。放送局の側から言えば50年かけて整備したインフラを7~8年でやらねばならな い。テレビ局一局平均60億円の莫大な投資を要する。当社の場合は120億円を要し、4~5年位で償却していかねばならない。これだけの投資をしても投資 に対するリターンは当面期待出来ない。 (6)上記の状況から、東京、大阪、名古屋は先ず問題なかろうと思われるが地方局は相当苦しくなる。当社の属するTBS系27局のうち10局位は危ないのではないか。当社もこの状況を踏まえ何をなすべきかを真剣に考えている。 (7)デジタル放送のメリットとしては、 (8)放送局としては、技術の複線化を文化の面でどう複合化していくかが大きな問題。当社は「スーパー・リージョナル・ステーションになろう」を合言葉に プロジェクトチームを編成、鋭意検討中である。即ち「とびっきりの地域特化」である。放送は地域免許なので在阪局の立場で大阪の中でどういうことが出来る かを考える要あり。50年間で得たものは大だが、捨てつつあるものも大。新しいものを作りながらビジネスに繋げる、そういうものにデジタルを使っていかね ばならない。 (9)毎日放送が今年やること: 文化があり、その表現方法の中にメディアがある。人と人とが繋がり、人に訴えかけていく、これが放送の原点である。そのような動きの中で如何に利益を生むビジネスにつなげていくかが当社の課題である。 |