(1)本日の話の内容は主として以下の2点。
1)財産のスムーズな分割 対策:遺言
2)遺産の把握、相続税
(2)現在の平均寿命:男性:78.4歳 女性:85.3歳
健康寿命:男性:72.3歳 女性:77.7歳
これらのことから、財産の承継対策は健康なうちに準備することが肝要。
(3)遺言の活用:
遺言がなければ法定相続になる。(相続分、遺留分の図示)
(4)遺産分割の方法:
遺言による分割、相続人全員の協議・合意による分割、家庭裁判所による遺産の分割
(5)遺言の活用:
二つの効果(法律を破る効果、安心効果)
(6)遺言をしない理由:
遺言は考えない(遺言するほどの財産が無い等)考えてはいるが(作成方法がわからない等)
(7)遺言で出来ること:
相続に関すること、財産処分に関すること(寄付、第三者への遺贈等)、身分に関すること(子の認知等)、遺言執行者の指定・指定の委託(弁護士・信託銀行等、身内も可)遺言執行者は絶大な権限を有する
(8)必要な人:
夫婦の間に子供がいない、老後の世話をしてくれる子供に多く相続させたい、世話になっている息子の嫁にも遺産を渡したい、寄付をしたい等々 遺産相続は実行が大変なので、相続手続きをスムーズに済ませるためには遺言執行者の指定が重要
(9)遺言の形式:
自筆証書遺言(民法968条)、公正証書遺言(民法969条)
(10)自筆証書遺言:
遺言の全文と氏名を全て自署し押印する。家庭裁判所の検認が必要
長所:誰にも知られずに作成、簡単で費用がかからない、作成替えが容易
短所:形式の不備や内容が不明確になりがち→トラブルの懸念 偽造、変造、隠匿の心配
(11)公正証書遺言:
公証人役場で二人以上の証人立会いのもとに、遺言の内容を口述し公証人が遺言書を作成
長所:無効になる恐れがない、偽造、変造、紛失の危険性がない
短所:内容が他人(証人)に知られる、証人が必要、公正証書作成費用が必要
(12)遺言書作成のポイント:遺言書に全ての財産を盛り込む、金融資産は割合で指定、遺言執行者の指定、納税資金の確保、付言事項を使う 等々
<注> 以下の項目は省略:「相続税のかかる財産」「相続税額の早見表」「自宅敷地と配偶者の税額軽減」「財産評価」「贈与について」「贈与は本当に有利か?」
(13)まとめ:
1)資産・負債を把握する
2)誰に財産を相続させたいのか検討する。相続人以外に渡したい人・団体があるか
3)相続税の負担はあるのか試算してみる
4)納税資金は準備されているか(事前に換金・物納)
5)贈与の活用は有効か
報告者より:
更に詳しいことを知りたい方は、いずれの信託銀行もこれらの相談業務を行なっているので、個別に相談されては如何かと思います。 |