【第163回】7月「パリの佐伯祐三を追って」

Ⅰ.日時 2016年7月20日(水)11時30分~14時
Ⅱ.場所 銀座ライオン7丁目店6階
Ⅲ.出席者数 71名
Ⅳ.講師 勝村義和さん@71期 (作家、画家)

昭和40年大阪大学工学部卒業後サントリーに入社、昭和45年に赤坂本社勤務となり、銀座、赤坂を同期の友人とよくぶらつくようになった。同社にはロイヤルサントリークラブがあり同期の友人を誘いよく飲んでいた。在職中のプロジェクトの中では、現在良く知られるようになったハーゲンダッツのアイスクリームの販売を手掛けた。六稜OBの佐伯祐三の絵画に惚れこみ、6年間に亘り佐伯祐三の絵画の現場を追いかけながら、描かれた絵と現在の写真を見比べながら当時を偲ぶようになった。今回はパソコンを利用してそれらの絵と写真を見せて貰えると思う。 
Ⅴ.演題 「パリの佐伯祐三を追って」
Ⅵ.事前宣伝 1.自分と佐伯祐三
2.佐伯祐三の年譜
3.佐伯祐三のパリ① 作品と足跡を訪ねて
4.佐伯祐三のパリ② 作品と足跡を訪ねて・佐伯祐三は小学校・高校の絵画憧憬の先輩。私は、パリでかれが描いた場所(判明済の30ヵ所)を描いて、佐伯祐三の絵の魅力と人間像を追った。
作品と場所10箇所をスライドで訪ねることによって、佐伯祐三の作品の魅力と佐伯の歩いた90年前のパリと現代のパリを実感していただく。
Ⅶ.講演概要 佐伯祐三は1898年中津に生まれた。北野高校を第31期に卒業後東京美術学校(現在の芸大)西洋画科に学んだ。1924年フランスに渡ったが、26年に母親の病気の知らせで帰国。母を看病の後27年に再び渡仏したが、祐三自身も健康を害し翌28年に30歳の若さで死去した。++-++-++-++-++

講師は、パリ在住中に写した数多くの絵と写真を次々に映写しながら説明を加えたが、これらを文章で説明するのは困難であるため、その現場について簡単に述べるに止めることとした。

  1. パリから北西に50分位行ったところにある教会の絵で、ゴッホが好きであったと言われている教会を描いた。その絵は、暗い絵を好んだ祐三にしては珍しく、青い空が描かれている。
  2. パリ市内、エッフェル塔の見える風景。その角度からの風景が最も良いと祐三は考えていたようだ。
  3. 小さい町のノートルダム寺院の絵。フランスにはいろいろな街にノートルダム寺院がある。
  4. ヘミングウェイが住んでいたアパートの絵。ヘミングウェイは有名なレストランの裏側のアパートに住み、そのレストランに毎日のように通っていたと言われている
  5. ある教会の絵
  6. 「モラン村」という名の村の絵。

++-++-++-++-++

ある時、祐三のところに芸大の後輩が4人訪ねて来た。祐三は彼等の面倒をよく見ていたようだ。後輩達が、祐三のある絵を見て素晴らしいと絶賛したが、祐三自身はその絵を気に入らないと言っていた。その頃から祐三の精神状態は若干異常をきたしていたと思われる。

++-++-++-++-++

その後、後輩達と合宿に出掛かけたが、パリに戻ってきた頃から健康状態が非常に悪くなり、外出が出来なくなってしまった。

++-++-++-++-++

その頃になって、「これが自分の絵」だ。やっと自分の思うような絵が描けたと言って喜んでいた。

++-++-++-++-++

しかしその絵を描いた後、頭が変になり精神病院に入ることになってしまった。祐三には結核の症状も出ており、結局それらの病気で若死にしてしまった。

++-++-++-++-++

講師は、多くの映像を映しながらの説明でかなり時間を費やし、約1時間の講演を終了した。

Ⅷ.資料 7月講演資料(2MB)

文責:65期 峯 和男

 

CIMG0793

CIMG0807

CIMG0805

CIMG0804

CIMG0803

CIMG0801

CIMG0800

CIMG0799

CIMG0797

CIMG0796

CIMG0795

CIMG0794