reporter:峯 和男(65期)
日時: | 2003年4月16日(水)11時30分~14時 | |||||||||||||||||||||||||||
場所: | 銀座ライオン7丁目店6階 | |||||||||||||||||||||||||||
出席者: | 65名(内65会メンバー 2名) | |||||||||||||||||||||||||||
講師及び演題: | 日本統合医療学会代表、東京大学名誉教授 渥美和彦氏(59期)「将来の医療について」 |
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講演内容: (要点のみ) |
(1)自分は一高から東大の医学部へ進み、医工学即ち医学に工学を利用する 先端医療に興味を持った。 先ず、カルテの作成にコンピューターの利用を考えて実施、その後心臓 外科に進み人工心臓を作った。 この頃、小松左京や北野で同期の手塚治虫といろいろな議論をよくしていた。
(2)その後も最先端医療への関心は強く、30数年間レーザー光線を使う レーザー医療などに従事した。 しかし、次第にこのような臓器医療に疑問を持つようになった。 (3)約18年前にソニーの井深会長から、東洋医学をやって貰えないかとの 話があり、自分はその方面は全く判らないと断ったが、知らない方が 良いのだと何回も説得を受け、最終的には引き受けることになった。 (4)井深氏は凄い人で、全国のいわゆる民間医療を徹底的に調べようということになり、ソニーの若手研究者の協力を得て調査した。 (5)その後機会を得て渡米、National Institute of Health(N.I.H)で 代替医療(Alternative Medicine)に出会った。 (6)医療の歴史を略記すれば以下の通り。 宗教、祈祷、薬草・食事、中国医学、ギリシャ医学、中世医学 (7)統合医療とは近代西洋医療(科学的、統計学的)と相補・代替医療(経 験的、個性的)を統合したもので、将来の医療の進むべき道である。 代替医療の研究は米国ほか諸外国で進んでおり日本は非常に遅れている。 (8)1990年に実施された米国の調査で、三分の一の人々が代替医療を 行なっている事実が判明した。そこで米国では大統領委員会を組成 ハーバード、コロンビア等 13 の大学で研究をするようになり 既に21の研究センターで研究を進めている。現在では、米国の患者の52%は代替医療を行なっている。 (9)代替医療には中国が深く関与しており、呉先生という人がボス。 この先生が600名の医師を連れてハーバード大学へ行き、統合医療の シンポジウムを一週間にわたり行なった。 (10)米国の生命保険は代替医療の費用もカバーする。それが利用者の多い 一つの理由。いずれ日本にもそのような保険が入って来て日本の医療保険制度は内部崩壊するのではないかと思われる。 <参考1>代替医療と近代医療の比較
<参考2>相補・代替医療の分類 |