アフリカの大地を緑に〜ジャカランタの花咲くジンバブエから【第19話】
イチゴを食べる
カトマンズ盆地の風景 (ネパールにて)
|
私は就職して最初の現場が北海道の旭川でした。雪の多い地方では、雪解けが何よりもうれしいものですが、困りものがあります。それは、雪の中に含まれていたホコリが、雪が融けたあとに残り、乾燥した風で宙に舞うのです。旭川では「馬フン風」と呼んでいました。昔の馬そりのころの名残でしょうが、雪の多いところでは、今でも春先のホコリっぽい風には悩まされます。
ネパールやジンバブエでも乾季になると、ホコリが宙を舞います。エジプトは、年中乾季で、砂嵐もありでしたしね。
道端には、いろんなものが落ちていますから、それが乾季には、ホコリになって、口やのどに入るのです。カトマンズでは街を牛が歩き回っていましたし、どこの開発途上国でも田舎に行くと、ロバとかもいっぱいいますから、そのフンの乾燥したものも、きっと、肺に入ってきます。ジンバブエには、空気感染もある人畜共通の炭疽病があり、問題は深刻です。
が、“キチャナー”とか“ババッチィー”とか言ってると、海外では商売になりません。
野菜畑の3人小町 (ジンバブエ南部にて)
|
ホコリは、まあ仕方ないということにして、食べ物は、なんとかきれいにして、口に入れなくてはなりません。
この問題解決は、切実なものがあります。特に、うちも含め、小さい子供さんを連れて、田舎の国に赴任されている方にはね。
まず、水道がそれなりにあるところでも、塩素消毒は十分期待できませんが、水洗いで、ほぼ外見はきれいになります。しかし、それをそのまま口に入れるのは、自殺行為でしょう。(と思います)
次に、熱湯消毒という方法があります。(一見)きれいな水とコンロがあれば、可能な方法です。
「レタスの湯通しは、ウマイで。ちょっと、醤油をたらして、パクといくんや」という具合です。
が、標高が高いと、沸点は100度に達しませんから、完璧な方法ではありませんがね。
砂漠に花咲くリンゴ (エジプト西方砂漠にて)
|
では、熱湯消毒に向かないものはどうしましょう。
イソジンというウガイ薬があるでしょ。あれを、一見キレイな水(ミネラル・ウォーターも可)にポタポタと落として、その水の中に漬けるのです。イソジンには、昔、消毒に使っていたヨードチンキの主成分のヨードが入っていますからね、消毒になるんです。この話を、海外に詳しい医師にすると、「確かに消毒にはなるが、野菜の消毒に使うのは、どうかなあ。」といわれました。同窓諸兄には、医師の方も多いので、一度、見解をうかがいたいものです。特に、寄生虫に効くのでしょうか。
が、私は、イソジン消毒液を愛用しています。例えば、湯豆腐に使うネギとかね。
例えば、イチゴはどうしましょう。
赤くて、おいしそうなイチゴ、ちょっとゼイタクして、パクと行きたいですね。
けど、寄生虫がこわいしなあ。
私は、断然、熱湯消毒です。グラグラの熱湯、2秒でいかがなものでしょう。
ニューヨークやパリだけが海外生活ではありませんよ。こういう生活も、また、一興ということで。
Last Update: Mar.23,2008