アフリカの大地を緑に〜ジャカランタの花咲くジンバブエから【第17話】
最高の贅沢〜その2
カトマンズ盆地の棚田
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カトマンズは、自宅から7000m級のヒマラヤの絶景を楽しむことができました。
ネパールはヒマラヤの国だから、山の木や雪解け水は、十分あると思われる方がいるかも知れません。
しかし、違います。エベレストの写真に木は写ってませんよね。そうです、高過ぎるのです。
ネパールでは、森林限界は2500mぐらいで、ハゲヤマのヒマラヤに降った雨の多くは、そのまま、ガンジスに流れ込み、ベンガル湾に直行です。ダムを作ればいいと思うでしょ。しかし、ハゲヤマに降った雨は土砂も一緒に流し出し、いくつかあるダムの多くは、みんな土砂で埋まっています。
また、冬場の乾期のため、インド国境側の一部を除き、森林資源に乏しく、その木材も薪炭材として、切り出されております。ですから、カトマンズ周辺の山にも木がなく、人口増加で水道整備が追いつかない上に、周辺の山での水源涵養もままならないという次第です。
ですから、カトマンズでは、水道は1日に1時間しか出ません(この水を自宅の地下タンクに貯めるのです)。庶民は水道管から水を吸い出すポンプを使ったり、金持ちはタンクローリーで水を買ったりします。
学校帰りの子供たち(カトマンズ東郊)
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この水不足のカトマンズでの贅沢の一つは、プールです。
市内のスポーツクラブには25mプールがあるのです。娘はプールが好きで、よく、泳ぎに行きました。
もちろん、水源は水道ではなく、クラブ所有の井戸。塩素消毒もちゃんと完備していました。ゼイタク!
もう一つは、暖炉です。
カトマンズでは、プロパンガスもありますが、インドからの輸入品で高価なため、庶民はもっぱら薪です。
森林資源保護のため、木を切り倒すことは禁止されていましたが、枝払いは可能。この切り落とした枝を薪として売っているんですが、たまに、足らないからもっと節約をというお触れが出ます。
が、我が家では、暖炉を楽しんでいました。燃やすのは、インドから届いた荷物を梱包していた木箱を解体した端材です。ですから、ネパールの森林には、直接は迷惑をかけなったと、ちょっとだけ言い訳。
暖炉の楽しみは、チーズやソーセージを直火で焼くんです。木の燻製の香りが少しついて、美味!
インド国境に近い村で
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プールも暖炉も、庶民には申し訳がない贅沢でした。しかし、カトマンズには、最高の贅沢があります。
それは、娘の誕生パーティーに自宅へ象を呼ぶことです。うちの近くに動物園があり、1ヶ月ほど前に予約すると、指定した日時に見上げるばかりの象が、ノシノシとやってきます。もちろんタダではありませんがね。
象は、ヒンズー教では神聖なものですから、途中で合掌したり、心づけをする通行人もおられます。
そして、我が家の庭で、小1時間、即席エレファント・ライデングとなる訳です。当然、パーティーに招待した娘の友達は、大はしゃぎとなります。
ただし、この象のデリバリーには距離の制限があり、うちのように、動物園のすぐそばなら簡単ですが、いつでも・どこでもという訳ではないのです。うちは、ラッキーでした。
ただし、この象さん、落し物をされる場合もありますから、要注意。けど、においませんよ。
Last Update: Feb.23,2008