アフリカの大地を緑に〜ジャカランタの花咲くジンバブエから【第12話】
アフリカは進んでいる?!?!
ネパールの街並み(カトマンズ東郊バクタプール)
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日本で想像するアフリカの印象というのは、どんなもんでしょう。テレビとかで、紹介されるアフリカの映像というのは、ジャングルかサファリか、はたまた難民キャンプか市街地の銃撃戦か。確かに、そういうのもアフリカの姿ですが、都会生活もありますよ。
四捨五入で申せば、西アフリカやエチオピアを除く、東南部アフリカには、帝国主義による植民地化以前には、都会はありませんでした。そして、イギリスとかの完全な都市計画の下、ハラレ(ジンバブエ)、ナイロビ(ケニア)、ヨハネスブルク(南アフリカ)といった都会は、欧米よりヨーロッパ的に出来上がっています、少なくとも外見は。
ですから、広い街路に、天を覆う街路樹というゼイタクな造りの町に、中心には高層ビルということで、初めて見る人には、ここはパリかニューヨークかという錯覚を与えることになります。
ネパールのカトマンズを見てロンドンと間違える人はいないでしょうが、ハラレはホテルの窓から見る限り、緑が多く、大阪より美しくみえるんです。そう「案外、都会じゃないか」ということになる訳です。
けど、道路には穴があき、道端にはゴミが散らかっているという現実もあります。排気ガス規制がなく、その他の臭いとともに、田舎の香水(大阪弁ではババタンゴの香り)が鼻先をかすめていきます。スラムも現に存在し、ああ、やっぱりアフリカとはこんなもんかと思ってしまいます。アジアでは混沌とかいうそうですが、そういうものとは異質なアフリカがそこにあります。
ジャカランタに包まれるハラレ
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住んでみると、「住めば都」という面もありますよ。例えば、完全電化。関西電力が泣いて喜ぶかも知れませんが、ここハラレでは、調理の基本は全て電気コンロです。IHという訳には行きませんが、電熱線を内蔵したプレートです。停電さえなければ、火事やガス中毒の心配がなく、便利な代物です。そう、停電さえなければね。
ジンバブエは石油を産しませんし、内陸国で石油の輸入も簡単ではありませんから、水力発電と自国産の石炭による火力発電、隣国からの電気の輸入が、エネルギーを支えています。
停電。ジンバブエは、金やタバコの他は、US$を稼ぐものがあまりなく、電気や交換部品の輸入がままならず、停電が頻発しています。それも、夕方から宵にかけての一番必要な時間に。
2006年には、東隣のモザンビークから電力を輸入している高圧電力線が鉄塔ごと引き倒されて、電線が盗まれるという事件があり、国の一部でしばらく停電が続いたこともありました。1週間停電して、冷蔵庫の保存食料を全てパーにしちゃった日本人もおられます。
ラムセス駅前(エジプト・カイロ)
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ここハラレの場合、経済は年2000%のスカイロケット・インフレですが、外貨を持っていれば、買い物には不自由しません。外国人や金持ちが使うスーパーには、町からパンが消えても、ビスケットやケーキが並んでいます。砂糖も一般の方がヤミで入手してるというのに、輸入物のケーキ用の砂糖はいつでもあります。
「パンがなければケーキを食べればよい。」的な物質文明が、アフリカの田舎の国にもあるんです。もちろん、US$を持っている一部の富裕層(私たち援助関係者も)だけの話ですがね。
Last Update: Aug.23,2007