午後の紅茶はダージリン〜杏の英国修行日記【第20話】 初めに戻る つぎ

ボランティア活動 その2


前回に引き続き、ボランティア活動の話です。
未だに一回生の終わりの出来事を書くのもなんですが、予告してしまった手前(するんじゃなかったと激しく後悔中)、これを書かないと前に進めません。
何にせよ予告ってのは、実現すればめちゃくちゃ格好いいですが、スカってしまえばただの誇大妄想ですね。
両刃の剣ってやつですか。ダース・モールですか。・・・・次から気をつけます。


再利用プロジェクトは、それまでにない新しい試みでした。
実家から通う学生の少ない大学では、夏休みに帰省する学生達が、大量のゴミを出します。その中には、まだ使える家電製品や、ほとんど袖を通されていない服も沢山あります。
それらをただ捨ててしまうのは勿体無いので、種類ごとに分別して、それぞれに再利用を図ろうというのが、プロジェクトの主旨でした。

自他ともに(他って誰だ)認める「分別好き」の私には、まさにうってつけのボランティア。すぐに応募して、私が住むFounders Hallでの分別を任されることになりました。


指定の分別場所を示すポスター   指定の分別場所を示すポスター
▲指定の分別場所を示すポスター


最初は、どのくらい物が集まるのか、少し不安でしたが、それは杞憂に終わりました。日を追うごとに、分別場所には、ビニール袋が次々と重なっていき、しかも一つ一つが満杯まで詰められています。
皆の、再利用に対する意識の高さに驚きを覚えつつも、今までゴミとして処理されてきた物の量を思い、心が痛みました。

ある程度、量が集まってきたら、ボランティア開始です。
大半は衣服ですが、状態を一つ一つ見ていかなければなりません。袋は毎日増えていくので、私も、ほぼ毎日、分別場所に出向いていました。私の部屋と分別場所はとても近かった(二部屋向こう)ことが幸いでした。


しかし、この近さが、ある事件を招いてしまったのです。

それは月曜の朝のことでした。
その頃の朝のルーチンワークは、前夜に集まった袋の量をチェックすること。
7時半と、まだ比較的朝早かったこともあり、私は、Tシャツに短パンというバリバリの寝巻きのままで分別場所に向かったのです。

ノックもせずに(共用の部屋なので、する人なんていないけど)ドアを開けると、なんとそこには人の姿が。慌ててドアを閉めようとしましたが、時すでに遅し。
こちらを振り向くと(なかなかカッコいい)、「あ、いや、あの、ほら、僕このプロジェクトの担当者で、あの、記念に写真撮ってるだけだから」と、しどろもどろに理由を説明してきました。

手には確かにデジカメが。まぁ確かに、<女子用の寮の階+朝+写真>っていうのは、どうにもこうにも、男性にはなかなかマズい状況ですね。いくらイケメンとは言え。しかし、担当者と分かった以上、私も知らんぷりするわけにはいきません。
「あ、ここの袋の仕分けっていうか分別っていうかをやってて、そんで朝起きて、いやさっき起きたんですけど、部屋が近いので」と、負けず劣らずにしどろもどろな自己紹介をし、ささっと握手を交わして、部屋に逃げ帰りました。


この話から得た教訓は、「部屋の外に出るときは、せめて髪だけでも梳いておこう」ということです。


それでは皆様、良いお年を。



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Last Update: Dec.28,2008