午後の紅茶はダージリン〜杏の英国修行日記【第11話】
届かない荷物[後編]
さてさて後編。一応前編のあらすじを簡単にまとめますと、大きすぎる荷物をどうやって部屋から郵便局まで運ぶかってとこでしたね。しかし前回、ほとんど話進めてないなあ……。
ゴルフ場の草すべりで交流〜©中国新聞(2007.8.4)
※写真はイメージで本文と関係ありません[編]
困った中本は一生懸命考えました。考えた挙句出した答えは、ずばり(古いって)犬ぞり方式。つまり、橇の上に荷物を乗せて、引っ張って持ってこうって訳です。もちろん犬=私、ですけどね。
準備自体は超☆簡単でした。まず大きい段ボールを開き(牛乳パックをリサイクル容器に入れる時みたいに)ます。これが橇の代わりですね。次にその端4分の一くらいを山折りして、折った部分に穴を空けて、ある程度の長さの紐を通して、輪っか状にします。後は荷物を、平らな4分の3の場所に乗せるだけ。その状態で紐を引っ張り、郵便局まで下の段ボールもろとも、ずるずる引きずってこう、って魂胆です。
材料不足(紐なんてパジャマのズボンのですから)に加え、私の頭の程度を考えれば、これは大変良い方法だと思います(自画自賛)。しかーし、この方法には致命的な弱点が。……恥ずかしいんですよ。もう全身、好奇の目にさらされまくりですよ。
がんばれダンボールなリヤカーの人〜©日本橋Blog(2004.9.24)
※写真はイメージで本文と関係ありません[編]
だってあれですよ、まず普通に歩いてて、後ろから「……ズズッ……ズズッ……」って聞こえてきたら、やっぱり振り向きますよね。そんで視線の先には、想像を遥かに超える光景が広がってるんですよ。完璧に疲れで顔が引きつり息の荒いアジアンガールが、重そうな段ボールを載せた段ボールを、パジャマの紐で引っ張ってるんですもんよ。しかも時々、異国の呪いっぽいの呟いてる(実際は「あー重たいんだっつーの」とか「お、絨毯のトコは、やっぱり楽だな」とか独り言ってた(「ひとりごとってた」とお読み下さい)んですけどね)しさ。もう近寄りたくない人コンテストにナンバーワンエントリー、そのままぶっちぎり優勝!くらいの危険人物レベルな雰囲気を醸し出してましたから。途中で出会った友人二名も、ドン引きの様相を暗示する笑顔で「……頑張ってね」って去っていきました。
まあこの後も、結局重量オーバーで、軽くするために荷物開封しなきゃいけなくなったとか、再封するためのガムテープを買う為に近くのスーパーに走る羽目になったりとか、下に敷いてた段ボールを捨てるために、素手で段ボール破いてる変な奴in街中になってたりとか、色々ありましたが、どれも今となっては良い思い出です。「ああ素晴らしき青春の日々」とは、また違った意味合いですけどもね。
あ、最後になりましたが、無事に荷物は届きましたので。
Last Update: Aug.29,2007