タイからサワディクラップ〜JICAシニア海外ボランティアだより【第8話】 初めに戻る つぎ

人生山あり谷あり



▲サムット・ソンクランで実証試験中の風車

9月後半から10月前半まで活動は、山あり谷ありで、決して単純でなく失意と希望の連続です。

9月16日:REO8地球温暖化防止セミナー開催

▲SPM社養豚プレゼンテーション
天然資源・環境省主催が、地球環境温暖化防止に関するCDM (Clean Development Mechanism) セミナーをラチャプリの養豚経営者(SPM社)を招き、ラチャプリで開催することになり、REO8が開催場所担当として準備した。SPM社は、36万頭の養豚場を経営しており、糞尿からのバイオガスを用いて発電している。発電量は480Kwですが、年間のCO2削減量としては、23,000ton程度とのことでした。今後環境問題と対策に占める地球温暖化対策の割合が増えてくると感じられた。

9月21日:UN地域発展Project
上記Projectでダムヌンサドワックが選定された。環境問題が解決される方向に向かって、地域発展がなされるようにするため、REO8も参加して、現状の環境問題点を抽出して解決が図られるように、地域発展プロジェクトを推進することになった。現状の環境問題としては、この辺りは水上マーケットに来る観光客の船のモーターの騒音や、マエコン川の浸食による環境破壊等の環境問題が有ることが、発表された。

▲マエコン川対岸浸食防止堤防工事

▲タイUNビル

9月22日:UNDP Poverty Environment Initiative “Strengthening Inclusive Planning processes for environmentally sustainable pro-poor development Project” 第一回総会
持続可能な環境で貧困削減を最大限かつ持続的に実現する経済発展を計画するためのもので、目的、戦略、管理、実行に付いて議論した。

10月5日:途上国気候変動対策次期枠組み交渉
バンコックで気候変動枠組条約に関する会議が9/28-10/9に有り、参加したJICA関係者から、途上国の気候変動対策に関する次期枠組み交渉の動向等について説明を受けた。 ラチャプリ工業省事務所よりタイで風車を製作して発電事業を進めたいが、気候変動に係る資金が借れるか、問い合わせが有り、後日JICA事務所に伺いに来ることにした。

10月9日:NEDO国際事業
ラチャブリでの産業廃棄物焼却処理について、ラチャプリ工業省事務所及び土地所有者(将来焼却炉オーナ)と一緒にバンコックで焼却炉メーカと打合せた。装置運転会社の選定、NEDO国際事業の制限等が、今後の課題となった。

10月9日:JICA有償資金援助
ラチャプリ工業省事務所及びタイで風車事業を営んでいる会社が、JICAローンに付いて情報収集をしたいとのことで、JICA事務所に同行した。 地球温暖化対策に関するCool Earth Partnershipが日本とタイで8月に締結され、従来の有償資金援助ローンより低金利ローンが使える仕組みに付いて、JICA事務所より情報収集した。

10月14日:大雨雲とスコール
ラチャプリで大雲が発生して、スコールが降った。いかにタイのスコールは局地的なのか、カメラに収めたので、掲載します。


▲ラチャプリに発生した大雨雲

▲チャーム家庭ごみ処分場

10月20日:チャーム家庭ごみ処分場の井戸水
PCD(Pollution Control Department)が、今年度の地下水調査として、チャーム処分場の井戸水サンプリングをするので、立ち会った。上流側の地下水はサンプリング出来たが、下流側地下水は、井戸が壊されていて、サンプリング出来なかった。
処分場は右上の写真の様に運ばれてきた家庭ごみと盛土をパワーシャベルにて混ぜて、プラスティック等の飛散、悪臭防止及び有機系ごみ分解等を行っています。

10月21日:完成まぢかの新分析棟
昨年度工事の分析棟が、いよいよ完成まぢかになりました。この新分析棟で私の課題の一つである処分場の浸出水、地下水、処理原水/処理水の分析を行うように、予算はないですが、お願いしております。


▲完成まぢかの新分析棟

▲家庭ごみのCompostにて、
出来た肥料を用いて野菜を植える作業

10月21日:REO8北九州方式Compost
5月からREO8で進めてきた北九州方式のCompost実証が、肥料化が完了したので、野菜を植えて有効性・無害化を実証中し始めました。

10月22日:大掃除

▲大掃除
10月23日は、ラーマ5世の誕生日で、祝日ですが、前日の22日に新実験棟を含めてREO8の大掃除を行いました。朝の8時30分から昼まで、また昼で終わるのかと思うと夕方の定時16時30分まで、丸一日掃除をやりました。新実験棟の工事は終わりましたが、建物の周りは廃材が多く散らばっており、掃除のやりがいが有りました。
私は10月に本館の一階に引っ越しましたが、本館と新技術棟の間の小庭が、部屋の後ろ窓から見えますので、きれいな小庭にしてやろうと、その辺りを中心に草を抜いたり、瓦礫を取り除いたりしました。一日中掃除をやるのは、生まれて初めてでしたが、しんどさよりも、やっているうちに、掃除をするのは、直接所員に喜ばれると感じて、これがボランティア活動だと思い、熱心にやりました。同僚からは、「貴方は、日本ではエンジニアーでなくて、ワーカーでしたか」と、言われました。皆と一緒に汗を流して嬉しかったですが、次の日は、腰が少し痛かったです。


いろいろな活動を続けて、1年余り経ち大分方向が纏まって来ました。ボランティア活動はプロジクトでなく、自分で計画して資金をあてはめて、進めていくわけでないので、言ってみれば環境問題よろず相談所の様です。
進めたい5つの課題についても予算が付かず進めるのが大変で、またプロジクトとして組めそうなので応募したGGPが不受理で、次にNEDOの国際事業に応募するかどうか検討中です。

10月28日から一ヶ月間健康診断で一時帰国しますので、11月の活動報告はお休みとなります。



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Last Update: Oct. 24,2009