ドイツの組織のヒエラルキー構造はけっこう明確で、日本に似ているところがある。研究グループのリーダーは必ず教授の資格を持っている。研究リーダーへの敬意は厳格で、呼びかけるときは通常「○○教授」と呼ぶことになっている。また、上司をファーストネームで呼ぶこともそれほど一般的ではない。
ドイツ語を勉強したことのある人は、ドイツ語の二人称には du と Sie の二種類があることをご存知だろう。前者はくだけた表現、後者は丁寧な表現と習ったはずだ(実際はそれほど単純ではないらしいが)。ドイツの会社や研究所の中では、親しい同僚や学生同士などでは du を使うが、それほど親しくない間柄や、上司に話しかけるときは Sie を使う、とのことである。日本でも、組織内で敬語(丁寧語)を使う状況とそうでない状況があるが、それと似たようなものと想像すればいいだろう。