まずは入り口論から

2006年10月23日

アフリカの大地を緑に~ジャカランタの花咲くジンバブエから【第2話】
まず、技術協力の入り口をお話しましょう。

jicaロゴ
国際協力機構

いわゆる援助には、技術協力と資金協力(無償と貸付など)があります。日本国政府が行う技術協力の予算は、皆さんの税金です。技術・政策の指導助言のため、私のようなアドバイザーが国 際協力機構(JICA)を通じて相手国政府に派遣されます(=JICA Expert(専門家)と呼ばれています)。他には、開発計画の立案や現地の方を日本に呼んでの研修、青年海外協力隊の派遣等もあります。

仕事の成果!と胸を張っていえるのは、実は、資金協力案件の発掘と、その実施のための計画立案や設計です(“玉さがし”とか“玉みがき”とか言うんですけど)。

ナイル河に浮かぶポンプ船(日本の無償援助)
ナイル河に浮かぶポンプ船
(日本の無償援助)

エジプトでは、無償資金協力として、灌漑用のポンプと堰の改修案件を、首尾よく、実施まで持ち込みました。実は、このポンプメーカーのカイロ駐在員の方が、北野の先輩、おまけに3年生の担任が同じ先生でしたので、お互いびっくりどころの話ではありませんでした。
堰の工事を受注した日本の建設会社の責任者の方は大学の先輩でした。世間は狭いものです。
こう書くと、日本の企業活動の先兵か、ということになるのですが、相手国は、外国の資金による国土の開発や農業を含む産業の振興を望んでいますので、そのニーズにマッチした開発援助を行うというのは、十分価値のあることだと思います。少なくとも、灌漑用水を利用できるようになる現地の農家は間違いなく喜んでおり、効果は明明白白です。

が、うまくいく場合ばかりではありません。

ネパール アンナプルナの山麓の村にて
ネパール:アンナプルナの山麓の村にて

ネパール 使い込まれた井戸掘削機(日本の無償援助)と現地スタッフ
ネパール:使い込まれた井戸掘削機(日本の無償援助)
と現地スタッフ

ネパールでは、西部の山岳地帯で住民参加型農村開発という実験事業を計画したのですが、お世話になっていた県事務所がテロ集団に爆破されるという事件が起こり、頓挫してしまいました。アンナプルナを望む、風光明媚なところだったのですが、実に残念でした。

玉さがしだけではなく、もちろん、アドバイザーとしての仕事もあります。
ネパールでは、農業開発に必要な計画立案手法を提言しました。これは、最終的には、ネパール語に翻訳の上、2,000部を印刷し、ネパール全土に配布しました。

ジンバブエでは、後に紹介する事情で、資金協力が止まっております。このため、政策アドバイザーとしては、なかなか、相手国の喜びそうな案件(玉)は出せない状況ですが、小規模農家を対象とした政策提言と適正技術確立を成果としてまとめようと思っています。その他に、職員の技術訓練を何とか日本の援助で実施できないかと、模索しています(一応、“玉みがき”かな)。

英語でそんな政策提言とかできるのと、私の英語力を知る友人諸兄は疑うでしょうが、実は、方法があるのです。そのうち、また紹介しましょう。
けど、北野の英語には十分感謝していますよ。