アフリカの大地を緑に~ジャカランタの花咲くジンバブエから【第8話】
エジプト中部にて (水田の中を野良帰りの家族が行き過ぎる) |
海外で仕事する場合、1番大切な物って、分かりますか。
それって、「家族」ですよ、私の場合はね。
「元気で帰ってきてね」と送り出してくれた家族の支えや励ましがあるからこそ、海外でも、それなりに仕事ができます。たぶん、家族の支えは、日本国内でも 同じじゃないかな。
信念とか、技術力とか、英語とか、異文化理解能力とかという偉そうなことは言いません。こういう物は、あとからついてきます。ということにしておきましょ う。
家族の次はなにかな。
「命」ということでしょうか。
湾岸戦争の頃ですが、ツタンカーメンの黄金のマスクが置いてあるカイロ博物館の前でドイツ人のグループが襲撃されたことがあります。日本では報道されませ んでしたが、当時、エジプトにいた私は、これはエライことになったと思いました。だって、カイロ最高の観光地ですよ。日本からお客さんがくれば、案内せ にゃならんし。
で、方法は、「群れない」ということです。襲撃者は、危険を犯してやってくる訳ですから、効率良く成果を挙げるため、観光客の密度の濃い部分を襲うはずだ ろう。ということは、グループとか、入り口で並んでいる時が一番あぶない。そういうのをやり過ごしてから、ゆっくり行けば良い。
まあ、そうはうまく行かないのですが。
仏様航空で遊覧飛行~エベレストとブッタエア機 (ネパールのポスターから) |
次は、何でしょう。諸説ありますが、私は「パスポート」を挙げたい。
例えば、交通事故で、半死状態になったとしましょう。運よく群集が集まって来た、その時にパスポートを渡して、「police」と叫ぶことができたら、少 なくとも、日本人が交通事故に会ったという事態は、警察には通報されるでしょう。その後、病院に担ぎ込まれるかどうかは、「インシャラー」(アラビア語で 「神の望むままに」)。
パスポートがないと、身ぐるみ剥がされて、そのまま……。かな。
ジンバブエ中部にて(「なにか買って!」~家族のため今日もガンバルお母さん) |
次は「米ドル現金」
さあ、事態極まって、国外脱出というとき、空港まで何とか、たどりついたとしましょう。パスポートがないと出国できませんよ(国家機能が維持されていると して)。あとは、弱肉強食(the law of the jungle)の世界でしょう。最後の脱出便に、あと1席しか残っていない時、米ドル現金の御威光は燦然と輝くかも知れません。
私は、今回のジンバブエ行きに際し、米ドルの100ドル札を連番で3万ドル分持ってきました。なんで、連番かって?“スーパーK”とか“スーパーノート” とかいう100ドル札の偽札の話を聞いたことありませんか。連番ということは、偽札ではないという証明になるんです。
実は、この“スーパーK”の本物の偽札(変な日本語ですが)を見たことがあります。持っておられた方は「US$40で買わないかと」持ちかけてきました。 思わず、買おうかと、食指が動きましたが、これって犯罪ですよね。
路頭に迷う「家族」のことを想像し、断念しました。