アフリカの大地を緑に~ジャカランタの花咲くジンバブエから【第16話】
ウガンダで出会ったナイル顔の農家 |
今回の話題はエジプトなんですが、本題に入る前に、ちょっと、寄り道。
みなさんは、人類の発祥の地が、東アフリカということは、既にご存知だと思います。では、その発祥の地から、人類がどうやって世界に拡散していったか。
東アフリカから、まず、エチオピアやスーダンを経て、ナイル河を下り、スエズ地峡を抜けて、シナイ半島へ出たのでしょう。そうです、アフリカを出た人類の 祖先は、ナイルの水を飲んでから、世界へ旅立って行ったのです。
「ナイルの水を飲みし者は、ナイルに帰る(返る?)。」エジプトには、ファラオのころから、そういう言い伝えがあります。かつて、エジプトに住んだ時、自 分の先祖が歩いた地を踏みしめ、その祖先の足跡の地に帰ってきたか、そんな感慨にふけったことがあります。これも贅沢といえば、そのとおり。
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閑話休題。「ナイルの賜物」エジプトの魅力は、その遺跡群にもあります。ピラミッドは、お客さんが来るたびに行きましたから、20回は行ったでしょう。ピ ラミッドは、中に入れますが、私も6回ぐらいは、入りました。確かに、「もうーえーで」の雰囲気です。ゼイタク!
もちろん、他の野外遺跡も観光用に整備されてもいますが、日本と違い、壁画等を除けば「触ったらダメ」とかの規制はなく、数千年前の遺跡に直接、手で触れ ることができます。
ひょっとしたら、シーザーやクレオパトラが、同じところを触ったかもしれないと思うと、感激もひとしおです。
しかし、エジプトの魅力の第1に、私は紅海のダイビングを挙げたい。
紅海の北の端にシナイ半島がありますが、この南に突き出した岬“ラス・モハメッド”の周辺こそ、世界最高のダイビング・スポットでしょう。かつて、世界中 の海を旅したフランスの海洋学者クストーが、世界初の海中映画撮影に成功したのは、この海でした。
草1本ない岩砂漠からリーフを少し歩き、波打際に達しますと、海中にはウワサに聞く竜宮城とはこのことか、と十分納得がいく光景が広がります。私がかつて 訪れた、沖縄やタイ、バリなんかよりも、100倍はすごい。なぜ、100倍かというと、色の多彩さが10倍、魚の種類の豊富さが10倍で、10×10で 100。おまけに、このシナイ半島で、ダイビングのライセンスを取りました。こりゃ、贅沢ですよね。もちろん、シュノーケリングでも、楽しめますよ。
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ただ、難は、日本からは行きにくい。カイロまでが大変だし、それから、シナイ半島まで、空路か陸路で移動。ホテルからは、ツアーでないと、一番美しいとこ ろへは行けなかった。ホテルが林立するシャルム・エル・シェイクは、最近、有名になり、行きやすくなったかもしれませんが。しかし、カイロ住まいなら、ま だ行きやすい。仲間もいましたしね。本当に、贅沢でした。