ホーチミンの街角から【第4話】
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まず大枠として、ベトナムと日本、そして朝鮮は、中国という大国の強い影響を受けながら、独自の文化を維持し、発展させてきました。
たとえば、現在のベトナム語は、アルファベットに、一部発音記号をつけたような文字で表しますが、実は、古くからある言葉の大半は、中国語がほぼそのまま 取り入れられているのです。日本語の語彙の大半が漢字、つまり中国語に起源があるのと同じです。
よく例に挙げられるのが……「注意」はベトナム語でもチューイーですし、「代理」はダイリーです。ベトナム語の「有難う」は、カムオンと言いますが、これ は感謝の「感」と恩義の「恩」を合わせたもので、朝鮮語のカムサ(感謝)とも良く似ていますね。
私のベトナム語は、発音が悪くて、殆ど通じませんが、かなりの単語を漢字を結びつけて記憶してきましたので、例えば街で看板に書いてある文字の意味を、か なり推察できるようになってきました。
例えば、「大学」は、ベトナム語でダイ(大)ホック(学)、「中学」は、チュン(中)ホック(学)と言います。一方、旅行は、ユー(遊)リック(歴)で す。すると、ユーホックという文字を見ると、なるほど、「遊」と「学」が合わさってるから、ひょっとして留学のことかなあ、と推察すると、これがご名答! なんですね。面白いでしょう?
今や、お坊さんや一部の華僑を除いて、普通のベトナム人は、全く漢字を読めませんが、それでも、旧正月には、街中に漢字が氾濫します。日本人なら、その大 半の意味が判る訳で、ちょっと、ベトナムの人達に対する優越感を抱ける瞬間です。