▲アムステルダム最大のプール、Sloterparkbad。オランダ選手権だけでなく、ヨーロッパ選手権なども開催さ れたことがある。このプールでは世界記録も何度か更新されている。土曜日午前は50mプールが中央で仕切られ、片側は一般開放、もう片側ではシンクロのナ ショナルチームが練習している。午後からは、例によって子供のサバイバル水泳教室になる。 |
しばらく更新が滞っていて申し訳ない。「便りがないのはよい知らせ」ということで、幸い仕事が充実しているおかげで、こちらにお便りする余裕がない、と ご判断いただけると幸いである。
実をいうと、平日の仕事だけでなく、週末の過ごし方も充実しているのである。
前回の 話題でお察しだろうが、冬の間、日曜日はほぼ毎週スケートに通っていた。土曜日はというと、プールで水泳をしている。子供が土曜日に通う、アムステルダム 日本語補習校から歩いて20分のところに、オランダ選手権なども開催される立派なプールがあることを、去年の11月に発見してからは、子供が勉強している 間の一般開放の時間を利用して、まとまった距離を泳いでいる。
連載第20回では、オランダのプールは競泳愛好者への割り当てが少ないと、文句めいたことを書いたが、何のことはない、筆者の調査が不足していただけだった。第20回で 写真を載せた、アルクマール北駅近くのプールも、建物の奥まったところに、実は立派な50mプールがあったのである。これに気づいたのも、去年の夏ぐらい のことで、それまで日曜日の午後しかそのプールには行かなかった筆者は、その時間は開放されていない50mプールの存在に、気付いていなかっただけだった のだ。いやはや面目ない。
今では、アムステルダムのプールにせよ、アルクマールのプールにせよ、バリバリ泳ぐ人、ほどほどに泳ぐ人らに囲まれて、充実した水泳ライフを送ってい る。「筆者より泳力のある人はあまりいない」という前言は、謹んで撤回させていただく。永年の運動不足もすっかり解消し、自転車で爆走しても、それほど息 が上がらなくなった。脇腹の贅肉も、ひところに比べるとずいぶん控えめになってきた。
▲大学時代の筆者
とはいうものの、スケート場の開いていない春と夏の間、スポーツが屋内プールでの水泳だけではつまらない。そんな筆者には、取って置きの隠し玉があっ た。実は、大学時代、カヌー部員として、琵琶湖でレーシングカヌーに励んでいたのである。
一般にカヌーといえば、川下りを競うスポーツとして知られているようだが、筆者達が励んでいたレーシングカヌーは、湖などの静水の上を、横一列に並んで 用意ドン!で速さを競うスポーツである。夏の合宿中は、一日30km程の距離を、1000mダッシュなどを交えて漕いでいた。ただ競技として競うだけでな く、2年に1度は一周200kmの琵琶湖を仲間たちと周航するなど、ツーリングカヌーも楽しんだ。
アルクマールに住むようになってから、結構な数の人が運河でカヌーを楽しんでいるのに、ずいぶん以前から気がついていた。いつかは自分も仲間に入れても らいたいものだと思う一方、運動不足由来と思しき、腰痛・首痛に悩まされるうち、カヌーで漕ぎに出ることを躊躇していた。
しかし、上にも書いたように、水泳とスケートのおかげで運動不足はすっかり解消し、ついでに整体にも通って、首の調子が悪いのも治してもらった。こう なったら、カヌーを楽しむのを躊躇する理由は何もない。
漕ぎに出た詳しい話は次回以降に譲るとして、今回は、カヌーの上から撮った写真を見ていただくことにしよう。基本的に、カヌーの上でパドルから手を離す 行為は、転覆の恐れを増す非推奨行為なのだが、この日は風も穏やかだったので、郊外に出たときに、思いついて携帯を使って写真を撮ってみた。
街中の様子もぜひ撮りたかったのだが、途中バッテリー切れのため撮れなくなってしまった。次回はぜひ、街中の様子も交えて、ご紹介したいと思っている。
カヌーに乗りながら。両側の葦が目の高さより高いので、その向こう側はあまり見えない。 | |
土手の上の羊たちと筆者愛用のパドル(大学時代と同じもの)。 | |
Egmond aan Den Hoef の住宅街が見えてきた。 |
▲上記住宅のすぐ裏手にある、エグモント伯の邸宅跡
エグモント伯とは、オランダ独立直前の頃のこの近辺の有力者。スペインの圧政に歯向かうものの、その後スペインに惨殺された。ゲーテが彼を題材に戯曲を書 き、ベートーヴェンが曲をつけた。
こんな狭くて低い橋がくぐれるのも、カヌーの利点。 | |
歩 行者・自転車用の木橋をくぐる。 | |
こ のあとバッテリーが切れた。 |