受験生のいる家庭にとって6月はBlue 。なぜなら 全国普通高等学校招生入学考試―通称「高考」-がありますから。
2008年「全国大学統一入試」と改称されましたが一般にはやはり「高考」で通っています。 欧米と同じく9月入学のため毎年6月7~8日に試験が行われ、重点大学(高倍率)2校、非重点大学2校、 その他専門学校というように志望校や専攻は選択できますが、大学や専攻ごとの試験は行われずこの「高考」の結果のみで 合否が判断されます。各省・自治区・直轄市ごとに合格ラインに差別があって地方出身の受験生の方が合格ラインが高くなります。 何故なら行政府は地方からの労働者の流入によって都市部の失業率が悪化することを避けたいと思っており、そのため、 労働者だけでなく労働者となる前の大学入学者も合格ラインを高くすることによって流入制限を行っています。 受験生の親が都市部の戸籍を取ろうとして不正行為に走るのにはこういった背景があるからといえます。試験の難易度は世界一ともいわれています。 人口の多さによる激しい競争に打ち勝つためにテスト能力を極限まで上げようとしてコーヒーと栄養剤で頑張り毎年何人かの 高校生が過労で病院に運び込まれています。 2012年は全国で915万人が申し込み、去年より18万人減少、2009年より連続下降、全国の省のうち11省のみ増加、 遼寧省は増加(ちなみに大連は遼寧省)。「高考」のシーズン、新聞には毎年、「最高齢受験者 85歳」とか 「 受験回数最多者 44歳で15回目に挑戦」とか「息子と一緒に受験」などの記事が載ります。そして、合否は、 一本大学(イーベン一流) 二本(アルベン二流) 三本(サンベン三流)と日を追って合格者の発表があり、合格通知が届けられます。 又各大学の最高点合格者は*状元とよばれ新聞に顔写真が抱負と共に載ります。
*状元:唐代から科挙制度の最終試験で第一等の成績を修めたものに与えられる称号で清代最後の状元まで、1300年の間には552名とされる。 通称が第一等状元、二等榜眼、三等探花とされ正式名称ではありませんが、状元は一等賞という意味でよく使われる現代にも生きている中国語です。 最近の新聞記事によると 6つ星大学:北京、清華、香港、台湾 5つ星大学:復旦、浙江、上海交通、南京、香港科学技術、台湾成功・・・などと呼ぶらしい。
高校受験は「中考」と呼ばれ6月30~7月1日に実施されます。 中学は初級中学=初中、高校は高級中学=高中 重点高中(さしずめ母校は重点高中と呼ばれる類でしょう)を目指し小学校時代から補習(塾のようなもの)に行かせたり 家庭教師を頼んだり叱咤激励、躍起になってこの日を迎えます。高考、中考共に親達が送り迎えし受験会場に当たった学校の校門前には 駐車その他諸々に備えて交警〈交通警察官〉がものものしく突っ立っています。