杭州八景を廻る:
「天上に楽園あり、天下に蘇州、杭州あり」と親しまれ人口689万人。市花は木犀。
杭州、紹興、嘉興、海南の4都市は1年のうち335日空気が汚染されていないそうで花々が咲き乱れ人情もおっとり暮らしやすそうに見えた。交通の便の良いホテルを予約しておいたので市内の殆どの名所には市バス1元で事足りる。大連のものと外観が似たトラムを見かけた。大連のは私の父親が満鉄に赴任するずっと以前から今に至るまでずっと現役であるから杭州のトラムにも乗ってみたかった。内装はどんなレトロなものだろうかとか、20世紀はじめの様子など写真にして展示してるのかとか非常に興をそそられたが、行き先が限られている。とうとう乗れなかったのが悔やまれる。
断橋
冬、雪が積もると橋と堤が分かれて見えるので「断橋残雪」と名づけられた杭州八景の一つで京劇≪白蛇傳≫に於ける重要な背景にもなっている。
西湖に映る桜、橋の全景はひときわ美しく、浮き浮きした表情の人々が行き交う。
*京劇『白蛇伝』
恋人許仙に裏切られ法海和尚との戦いに苦しむ白素貞(白蛇の化身)。許仙の子を宿し、つわりに耐えている。やっとの思いで何とか断橋に辿り着く。妹分小青は憎しみの余り彼を殺そうとするが、白素貞は彼を許し三人で故郷へ旅立つ(日本的や)。同じ蛇の化身でも歌舞伎の『道成寺』だと安珍は清姫に焼き殺される。こちらの方が過激で中国っぽいのがなんとも面白い。
満開の桜を眺めながら湖畔をゆっくり散策、コーヒーを啜り小休止。コーヒーを楽しむ習慣が徐々に普及しているのか杭州でも美味しいコーヒーを点ててくれる店が増えているようだ。思えば大連に暮らし始めた2001年、インスタントコーヒーすらなかった。日本から持参の粉は忽ち底をついた。
友人たちとバスに乗って四つ星ホテルまで出かけないとコーヒーにありつけない。当時、一杯400円もしたからコーヒーのお代わりができるホテルには少々遠くてもタクシーに乗って出かけていったものだ。ホテルにもよるが五つ星ホテルではきっちり税サをとられるからしてコーヒーは高級も高級、高~くてそのうえ美味しくないときて800円超。
現在の大連にはUCC、スタバなどのチェーン店も増え、日本人経営の久光百貨店の地下スーパーに行けば豆、粉、無糖のインスタントコーヒーも買える。
中国では無糖と書かれていても実は有糖 めっちゃ甘~い。だからお茶の種類はウーロン、ジャスミン、ロンジン、緑茶などなど抜群に多いけれど滅多に買わない。日本から海苔、鰹節、梅干、茶葉を買って戻ることにしている。