LA交響楽団の演奏を月一度聴きに行きます。
Downtown Los Angelesに銀色にかがやく鋭角がひときわめだつ建物それが、ディズニーホールLA響のホームグラウンドです。
12月は待降節で、ホールの中庭には大きなクリスマスツリー、その向かいの噴水が赤から青、紫から黄色へと刻々と色を変えながら噴き上げるのを映してますます華やかなイルミネーションに、いっときみとれたあと内にはいって演奏前の講義をききました。
今夕は、Esa-Pekkaが一年ぶりに指揮をとります。
フィンランド生まれ,20歳代の若さでLA響に招かれ金髪をゆらしながらタクトを振ってきました。かたわら作曲活動にも情熱をかたむけ、NYXというエサペカの新作を、彼のオーケストラが、彼の指揮で演奏するのは米国でははじめての機会でした。
説明によると、NYXとはギリシャ神話に存在する影のような存在だそうです。すべてのはじまりのとき、カオスのなかから地球ガイヤが生まれたときのこと、NYXも、混沌のなかからおなじように生まれ、光や天や海を内包する存在ということです。
弦のささめきから始まり息づいて来て、クラリネットのソロ、フルート、ホルン、トランペットも参入してきます。
やがてドラムやブブラフォンがテンポを加速していきます。
鳥がはばたいているような、エサペカの白い手や腕をながめながら、夢と現実のあいだの白日夢につれていかれます。
ビロードのような音に包まれているゴージャスな時間はじっさいにはほんの18分でした。
インタミッションのあとは、米国のテノール歌手Gerald Finleyが歌うLes espaces du sommeilでした。
フランスのシュールレアリスム詩人Robert Desnosの詩にLutoslawski が曲をつけたもので、はじめて聴く曲でした。
大学時代に同じくシュールレアリスム詩人アポリネールの詩を読んだことなど遠く思いだしながら詩の英語訳を字幕に追います。
Sleep Spaces (Les espaces du sommeil)
In the night there are of course the seven wonders
of the world and the greatness tragedy and enchantment.
Forests collide with legendary creatures hiding in thickets.
There is you.
このように歌いはじめました。
NYXの白日夢の続きのような心地よい陶酔のうち15分があっという間にすぎました。
2013年も続けたいと思います。
Happy Holidays!