アジア人の社会的地位

2009年9月17日

モスクワ駐在員のつぶやき~ロシアCISあれやこれや【第3話】


▲ロシアの歴史博物館

2008年2月当時の話です

赴任して5ヶ月が経つが、最近週末には買い物であちこち出かけるようになってきたので、気がついたことがある。それは我々アジア人に対する視線である。


▲高級百貨店GUM(元国営)
内部は名だたるブテイック、ブランドショップの殿堂。価格は西欧より1.5倍くらい高い。

日本や西欧諸国にいたときのようにOFFはジーンズなどラフな格好で町に出かけていると、店に入ると必ずSecurityにジロジロ見られているのに最近 気がついた。ロシアではまだまだ治安悪いため、レストランから小売店、スーパー、大型ショッピングセンターに至るまで必ず軍隊上がりのような厳つい体格の Securityが入り口に張り付いている。映画でよく見る用心棒みたいな感じである。まあいいように解釈すれば、彼らが居る限りはある程度安全は確保さ れていると言えるが、ジロジロ見られるといい気がするものではない。


▲聖ワシリー大聖堂

よく考えてみるとロシアで道路やビルの清掃、またこの寒空の建設現場で働いている人たちはほとんどがアジア人の顔つきである。所謂コーカサス・中央アジア の人々である。これらの人々は驚くほど日本人の顔つきに良く似ている。歴史を辿れば、第二次世界大戦勃発直後に、スターリンが極東に住む自国朝鮮人をコー カサスへ強制移住させ、日本兵が攻めてきたときに区別しやすいようにしたという話であるが、そのせいか本当に日本人のような顔した人たちが多い。これらの 人たちは社会の最下層に位置する人たちのようで、我々がラフな格好して町を闊歩すると、どうもそういう人たちと見間違えられているようで、貧困層が高級店 に入ってきて、それこそ何か物取りでもしないかといわんばかりにジロジロ見るわけである。
最近このことに気がついて、バカバカしい話ではあるがちょっとした買い物にしても、取り敢えずあまりラフな格好はしなくなった。ちょっと金持ち風にしてみ るものの、あまり度が過ぎると今度は金目当ての強盗に出くわすとも限らない。何とも厄介な話である。先日もバレエ見に行く機会あり、それなりにキメた格好 で地下鉄に乗ると、今度は何者かというような目つきが目に付く。慣れてきたとは言え、あまり良い気持ちはしない話である。