午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第11話】

2007年8月29日


届かない荷物[後編]

さてさて後編。一応前編のあらすじを簡単にまとめますと、大きすぎる荷物をどうやって部屋から郵便局まで運ぶかってとこ でしたね。しかし前回、ほとんど話進めてないなあ……。

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ゴルフ場の草すべりで交流~©中国新聞(2007.8.4)
※写真はイメージで本文と関係ありません[編]

困った中本は一生懸命考えました。考えた挙句出した答えは、ずばり(古いって)犬ぞり方式。つまり、橇の上に荷物を乗せて、引っ張って持ってこうって訳で す。もちろん犬=私、ですけどね。

準備自体は超☆簡単でした。まず大きい段ボールを開き(牛乳パックをリサイクル容器に入れる時みたいに)ます。これが橇の代わりですね。次にその端4分の 一くらいを山折りして、折った部分に穴を空けて、ある程度の長さの紐を通して、輪っか状にします。後は荷物を、平らな4分の3の場所に乗せるだけ。その状 態で紐を引っ張り、郵便局まで下の段ボールもろとも、ずるずる引きずってこう、って魂胆です。

材料不足(紐なんてパジャマのズボンのですから)に加え、私の頭の程度を考えれば、これは大変良い方法だと思います(自画自賛)。しかーし、この方法には 致命的な弱点が。……恥ずかしいんですよ。もう全身、好奇の目にさらされまくりですよ。

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がんばれダンボールなリヤカーの人~©日本橋Blog(2004.9.24)
※写真はイメージで本文と関係あり ません[編]

だってあれですよ、まず普通に歩いてて、後ろから「……ズズッ……ズズッ……」って聞こえてきたら、やっぱり振り向きますよね。そんで視線の先には、想像 を遥かに超える光景が広がってるんですよ。完璧に疲れで顔が引きつり息の荒いアジアンガールが、重そうな段ボールを載せた段ボールを、パジャマの紐で引っ 張ってるんですもんよ。しかも時々、異国の呪いっぽいの呟いてる(実際は「あー重たいんだっつーの」とか「お、絨毯のトコは、やっぱり楽だな」とか独り 言ってた(「ひとりごとってた」とお読み下さい)んですけどね)しさ。もう近寄りたくない人コンテストにナンバーワンエントリー、そのままぶっちぎり優 勝!くらいの危険人物レベルな雰囲気を醸し出してましたから。途中で出会った友人二名も、ドン引きの様相を暗示する笑顔で「……頑張ってね」って去ってい きました。

まあこの後も、結局重量オーバーで、軽くするために荷物開封しなきゃいけなくなったとか、再封するためのガムテープを買う為に近くのスーパーに走る羽目に なったりとか、下に敷いてた段ボールを捨てるために、素手で段ボール破いてる変な奴in街中になってたりとか、色々ありましたが、どれも今となっては良い 思い出です。「ああ素晴らしき青春の日々」とは、また違った意味合いですけどもね。

あ、最後になりましたが、無事に荷物は届きましたので。