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2007年のバックナンバー

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第9話】


あわや空港放浪記?!

6月始めに帰国しましたー。試験に受かっていたら9月にイギリスに戻るつもりなので、それまでは日本から、このコラムを書かせていただこうと思います。い やいや日本から書いてる時点で既に海外レポートじゃないよって話ですけどね。午後のお茶は緑茶ですし。

しかし、やっぱり生まれ育った国ってのはいいもんですねえ。

空港のチェックイン・カウンター(写真はオランダ・スキポール空港のもの)

そうそうそんで……帰りの空港では色々大変でした。いやはや100パーセント、私の準備不足、不注意及び手抜かりが招いたことなんですけれどね。実は今回 の帰国で、一人で飛行機に乗るんが初めてだったんですよ。そんでうっかりもいいトコですが、トランクとかの、飛行機の倉庫に預けるほうの大きい荷物の重量 制限を知らなかったんです。

「あーやっぱ重いよなあ。何キロくらいあるんだろ。一年生活するって重いんだなあ」
とか呑気に思いつつ、がらがら運んでたんですね。そんでいざチェックインの段になって、荷物をカウンタ横のベルトコンベアに乗せたら、
「重すぎます。これでは乗せられません」
って言われちゃいましたよ。

重いボストンバッグ

「預けられる荷物は、一人あたり30キロまでです。20キロ減らして戻ってきてください」
スチュワーデスさんの、あの呆れ顔は忘れられませんね。あんなにハードな仕事こなしても尚にこにこしてる人の…笑顔消しちゃったよ、オイ~みたいな感じで した。

しかし20キロ減らして下さいと言われて「はいそうですね。とっとと減らしてきます。10分後には戻ってくるんで…席よろしくお願いします」なんて言えま せんでした。いや席はもう取っといてくれてたんですけども。

そっから空港の片隅で、私の帰国を賭けた取捨選択が始まったわけです。19年間生きてきて、一番大きな選択だったと言えば過言になりますが、そんな感じで した。
しかし混んでてまっすぐ歩くことすら出来ないような空港内でトランク広げなきゃいけないわけですから、まず場所探すのにも一苦労。運よく場所は見つかった ものの、最初はかーなーりー恥ずかしかったですよ。そりゃトランク全開ですから。もう今クラスメイト通ったらどうしよう…とか思ってました。いやその確率 は結構低かったんですが。

28.2kg!(写真は合成)

しかし開始後3分くらいで、そんな気持ちは空の彼方へ放り投げました。下手すりゃマジで帰れないかもしれんのにそんなこと言ってる場合じゃないと気付き、 髪をふり乱し、悪態をつきまくって、何とかトランクを28キロまでにしました。
この行動のおかげで、私はいま日本から海外レポートを書くことが出来るわけです。あの時ああしなかったら、空港のベンチで荷物抱えて「空港放浪記」なんて 書いていたかもしれません。何か…そっちのほうが面白そうだけど。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第8話】


ヘンリー君

掃除機のヘンリー君

掃除機のヘンリー君。部屋をきれいにするのに欠かせない子です。ヘンリー君には放浪癖があり、よく指定の場所からいなくなって1週間経っても戻ってこな かったり(要は誰かが使ってそのまま返してないか、他の場所に放置されている)、帰って来たかと思えば別人になってたり(機種は同じだけどモノが違う)し ます。何故ヘンリーという名前であるのかは不明。黄色いジミー君も居た気がする。

そんでもってヘンリー君は、普段は共用キッチンにある大きな戸棚の中に入ってます。この戸棚には鍵がかかっているため、掃除機を使うには、いちいち受付ま で行って鍵を借りてこなければならず、非常に面倒くさかったり。しかも鍵合わない。いやいや、真面目な話。去年、掃除機を使おうと思って戸棚の鍵を借り て、戻ってきて差し込もうとすると、鍵と鍵穴の形が合わなかった。

そんなことがあったもので、しばらくは下の階の鍵を借りて、そこの掃除機を使ってたんですがね。どんなことにも抜け道はあるもので。この場合の抜け道は至 極単純で、まあその戸棚は鍵を開けなくても開くんです。何というか、引き戸2枚でドアが構成されていて、一方にしか鍵がかかってないもんで、もう一方の引 き戸(ただし取っ手なし)を手のひらとかで押しながら引けば開いちゃうんですよ。これが分かった時はかなり嬉しかった。しかし他の住人たちは、そんなこと はとっくに知っていたらしく、よくそっち側のドアが開けっぱなしになっていてヘンリー君がいない(笑)。

足跡

残されるべきでない場所に残された足跡(笑)。コンクリのタイルがひびやら何やらでがたがたしてたんで、この間からひびや穴を埋める工事が行われてたんで すがね。誰かうっかりだか意図的にだか、まだやわらかいコンクリを踏んだようで。

工事の意味がって言うか単純に穴の深さと大きさだけ考えればむしろ広がってる(笑)。しかしもう工事をやり直すわけにもいかないので、このまま ずっと残る模様。ハリウッドスターじゃないんだからさあ……。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第16話】


四月の雪

何だかんだと、2008年も4ヶ月目を迎えていますね。私は完全に春休みボケしてしまい、「えっ今月あと10日もないの」状態です。

窓から見るあられ
▲窓から見るあられ

あたりは真っ白
▲あたりは真っ白

さてさて、五月は最終試験の時期です。泣きたい逃げたい放り出したい気持ちは120%まで高まってきてますが、まぁこれも学生としての大事なイベント、頑 張って乗り切っていこうゼ☆なんて無理にテンションをあげています。
そして今月のテーマは、上に挙げた二つの事柄とはあまり関係ありません。タイトルそのまま、四月に降った雪レポートがメインです。(映画「四月の雪」は観 ていませんが、良い映画だそうですね。本屋で予告編だけ見ました)

さて、まずは一枚目の写真をご覧下さい。これは、4月5日の昼に、例によって私の部屋の窓から撮られたものです。少し分かりにくいですが、コンクリートの 上に点々とある、半透明の小さな塊が見えるでしょうか。あられです。四月なのに、あられが猛威をふるって、窓にビシバシぶつかってきました。外を歩いてた 人達は、さぞや痛かったことと思います。

そして次の日の朝、起きたら外は真っ白でした。「あれ、今ってまだ2月だったかなーそれだったら嬉しいなー」と、雪と試験の両方から逃避した後、 「・・・・寒っ」と現実に帰り、ヒーターをつけました。しかし、四月に雪が降ることもあるとは、聞いたことがありましたが、去年に続き今年も暖冬で、冬の 間に全く雪が降らなかっただめ、今年はグリーンウィンター(そんな言葉あるのか)かと、すっかり油断していました。しかし、せっかく積もった雪も、夕方に は、ほとんど融けていました。融けた雪ダルマの、帽子や目が、ぐちゃぐちゃの地面の上に打ち捨てられている様子は、いつ見ても切ないものですね。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第7話】


寮生活

ランドリー内部の様子

日常編ナンバーツー。今回は洗濯です。

この写真はキャンパス内にあるランドリーです。洗濯代は一回2ポンド(約500円)で40分くらい。乾燥は1ポンドですが、使わないので時間は良く分かり ません。これってやっぱり高いのかなあ……。

ちなみに20ペンス追加すると、スペシャルなウォッシュになるそうです。

そんでもってこのランドリー、写真を撮るときは割と朝早くに行ったんで誰もいませんが、混むときは結構混みます。まあ当たり前っちゃ当たり前でね。そもそ も私の入っている寮だけでも400人くらいいるのに、洗濯機6台ですから。なので時々、ラッシュアワーに行ってしまうと全部使用中だったり。やっぱり週末 の朝10時とか、夕方は混みます。そういうときにうっかり行ってしまったときは、ひたすら根気で待ちますがね。先延ばしにできるものでもないし。そんなわ けで、ランドリーに行く時は時間つぶしの本が必需品です。そういえば一回洗剤忘れたこともあった(笑)。

ランドリー外の花
コンピューターセンター

ランドリーの外にある木に咲いている花です。なんなんだろなあ……オリエンタルな感じはするんですが。そこはかとなく懐かしさも感じるし。しかし今年は暖 冬で、開花も早かったですね。すでに2月の時点で咲いてたし。

寒くなると思って持ってきた(&送ってもらった)大量のカイロやら毛糸の靴下やらが、使われないまま洋服タンスの中で眠ってます(笑)。

この瞬間をどれだけ待ったことか(笑)。部屋に人がいなくなるってことが滅多にない、生活必需品の一つ、コンピューターセンターです(図書館を先に持って こないあたり学生生活が窺い知れる)。全大学でコンピューターセンターがここにしかないので、やっぱりここも混むときはやたら混みます。24時間誰か絶対 コンピューター使ってるし。

そんでもってこっちはセンターの中でも一番小さい部屋で、パソコンも9台くらいしかありません。これに隣接してる部屋はこれの3倍くらいあって、2階にも 同じような大きさのものがもう一部屋。

しかししかし、「24時間オープン」が歌い文句なくせに割とよく閉まるんですよ。いやいやメンテナンスとかなら分かるんですけどね。実際そういうときは前 もってお知らせしてくれるし。しかし日曜の朝閉まってるときもあるし(笑)。課題を提出の当日にプリントしようと思ってた人とかどうするんだろってよく思 います。さすがにプリンターは個人で持ってる人少なそうだし。インターネットはともかくとしても。

さてさて、こっちではそろそろ5月の最終試験が近づいてきました。最終成績の半分も占める大事な大事なテストなんで、気合入れて頑張ります、と抱負で今回 は失礼します。

午後の紅茶はダージリン~杏の英国修行日記【第6話】


森の暮らし

近所のリス

リスです。保護色になっててちょい見にくいんですが、ともかくリスです。撮影者のミスで赤目になってますがリスです。
さてさて、今までブリストル訪問やらアイルランド旅行やら、こっちの生活においても非日常的なことを書いていたので、今回はばりばりの日常を書こうと思い ます。そしてリスは日常の一部です。まあ日本に居たときだって、リスは見たっちゃ見たんですがね……スーパーの横の木とかに。いやいや、でもこっちでは数 が半端じゃありません。何せ住んでるのが森ですからね。住宅地とは訳が違います。

はい、大学の中には、森があります。ちなみに絶対「ヌシ」とか言われてるであろう巨大亀がいるに違いないような沼もあります(森の中に)。間違いなく底な し沼です。その写真も撮ろうかなとは一瞬思ったのですが、チキンな私にはできませんでした。さてさてこの森、普段は私は使わないんですがね。大学は高台と いうか坂の上に建ってるので、敷地内での高低が割と激しかったりします。そんでもって以前書いた、私の住んでいるFounder’s Hallは一番(多分)高いところにあって、すぐ近くに正門もあるので、普段は下の方に降りる用事がないんです。でも何か用事があるときに通るのがこの 森。一言で言うと「うっそう」としています。夜なんて絶対に通れません。ハリー・ポッターの映画第二弾をご覧になったことがある方は、あの巨大グモが住ん でいる森の縮小版、そんでもってちょおっとだけ明るいものを想像していただければ、大体イメージが湧くかと思われます。

そんでもって、その森に住んでいるのが写真のリスです。ウサギもいますが、シャッターチャンスにめぐまれず。彼らは必死に生きています。本当に必死です。 そして人間には慣れていますので、近づいても無視されます。いやいや、ちょ、ってか、ほら、動物を見つけて、もっと近くで見たいなって近寄ろうとすると、 パッと逃げてしまって、「あー、もうちょっと見たかったなー」なんて状況あるじゃないですか。このリスにおいてはそんな状況絶対に起こりません。むしろ透 明人間になったかのような錯覚を引き起こされます。「ちょ、私のこと本当に見えてます?」って質問したくなります。ちなみに実際話しかけてみましたが、そ れも無視されました。

近所のリス

彼ら彼女らは食べます。がつがつ食べます。その食べっぷりは気持ちよいを通り越して心配になってくるほどです。そして食べ終わった木の実は放ります。ぶ んっと放ります。「てめぇ何か文句あるってんか」というアテレコがばっちり入る放りっぷりです。リスに対しての「かわいらしい」イメージは、ちゃぶ台のよ うにひっくり返されます。
最後に森の全体写真を。昼間に撮ったんで明るいイメージですが、騙されちゃいけません。

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