ウィーンの散歩道 ~Mit der Musik【第6話】

2008年2月23日


終了試験へのラストスパート


▲大学での演奏会

皆さま、お久しぶりです。
長らくお待たせいたしました!
12月は日本への一時帰国、1月は学期末の試験とコンサートが重なるなど慌しい日々を過ごし、気がつけば2ヶ月もお休みをもらっていました。
今月からまた再開しますので、あらためまして今年も宜しくお願いします。

この2月からは私の学生生活最後となるウィーン国立音大の終了試験に向け、ラストスパートをかけて練習に明け暮れる生活です。
ウィーン国立音大のピアノ科の終了には、学科と実技の必須単位プラスCD録音、小論文、2回にわたる公開演奏試験、全てにおいて一定以上の評価の成績が必要です。
やはり公開演奏試験が一番重要なのですが、とにかく課題曲が多いので大変です。バロック(バッハ、スカルラッティ等)2曲、練習曲2曲、古典派ソナタ3 曲、ロマン派3曲、印象派、近現代、1950年以降の作品がそれぞれ1曲ずつ、協奏曲2曲、その数あわせてなんと15曲。5時間以上のプログラムになりま す。
コンサートピアニストとしては当然のことかもしれませんが、2週間の試験期間でこれらの曲を2回にわたって弾きこなすことは、体力的にも精神 的にもきついです。コンクールも上に進んでいけば、連日の結果に一喜一憂しつつ緊張が続きますし、そのたびに異なるプログラムを弾いて自分の力を出し切っ ていかなければいけないのですから、それはそれは過酷な道です。

2月はドイツの講習会に行き、試験でラストに弾くグラズノフのソナタとベリオの6つのアンコールを掘り下げてじっくり取り込むことが出来ました。
あとは練習量を増やしてプログラムを弾きこんでいくこと、またこれからコンサートやコンクールもあるので、1つずつ自分の力を出していき、ベストコンディションで6月の試験に臨めればと思っています。


▲コンチェルトハウスの夜景

▲コンチェルトハウスでのリハーサル

この一週間でウィーンは例年になく暖かくなってもう春の香りも漂っています。
自分のプログラムとは別に、3月の始めにコンチェルトハウスで演奏会をおこなうのですが、今日は、共演するソロデビューのクラリネット奏者とのリハーサルでした。
ウィーンフィル首席奏者のシュミーデル氏のレッスンを受けに行ったり、素晴らしい音楽家に囲まれてウィーンで音楽を学べることに幸せを感じるひととき。学生生活の終わりが近づいている今は特に、思いを馳せる瞬間が多くなってきているような気がします。