★前号の表紙でもご紹介した笹部桜についての話題を。故笹部新太郎さん(17期)の遺業を継いで桜の育成に尽力されていた久野友博さん(54期、故人)宅の笹部桜の若木を2本、久野夫人により六稜同窓会にご寄贈いただいた。若木は接ぎ木と実生の、どちらも5、6年もの。校舎と同窓会館の完成まで、宝塚の園芸農園に預けている。この春も花を咲かせて元気に育っている。
また、北野の南庭にある笹部桜のひこばえを切り、接ぎ木して育てているものが20本ばかりある(宝塚と伊丹の農園に預けてある)。まだ2年目であるが、数年後の花が楽しみである。北野にある親木とともに、これらの若木が新しい北野の校舎に文字通り花を添えてくれるよう願っている。なお、これらの事業は63期の戸澤正雄さんのご協力を得て78期同期会が世話役をつとめている。
★北村芳郎さん(51期)は「南蛮文化館」の館長。阪急中津駅から徒歩3分の自宅の一角に個人美術館を建てて30年になる。
重要文化財の「南蛮人渡来図屏風」をはじめ、民間では日本一のキリシタン・南蛮文化コレクションで知られる。なお、開館は年に2回(5月と11月)。月曜休館。
★松村博さん(74期)は大阪市の橋梁工学の専門家として知られているが、本年5月に心斎橋筋商店街振興組合が主催して大丸そごうで同時開催された「心斎橋筋の文化史展」において、江戸時代に架けられた木造の初代「心斎橋」の模型製作に当たられた。展覧会開催にあわせて商都大阪を代表する賑わいを見せた心斎橋筋の歴史と文化をまとめた記念誌『心斎橋筋の文化史』も編まれ、松村さんの論文も掲載されている。
★藤原良雄さん(79期、藤原書店店主)が本年3月11日フランス文化省にて芸術文化勲章(シュバリエ章)を贈られた。ドストブラジ仏文化大臣により読み上げられた受賞理由は「…フランスの思潮の啓蒙・普及にあなたが手がけられる仕事の膨大さを思いやるにつけ、ただただ頭の垂れるばかりです。この“知の冒険”ともいえる偉業に慶祝の意を表します。」
★高木和弘さん(103期)は新進ヴァイオリニストとして活躍中。1985年に全日本学生音楽コンクール西日本大会中学校の部で1位。89年、第1回宝塚ベガ音楽コンクールヴァイオリン部門3位。北野高校文化活動振興賞授賞。北野卒業後、フランス国立リヨン高等音楽院に。94年同校ヴァイオリン部門首席卒業。97年1月には東京と京都でリサイタルを行なった。このたび97年度エリザベート王妃国際コンクールで6位に入賞された。今後の益々の活躍が期待される。なお12月に東京と大阪でリサイタルが開かれる。