六稜会報Online No.31(1997.9.15)


    icn#31 ●巻頭言
    六稜同窓会ホームページ
    誕生の経緯

    六稜同窓会ホームページ開設準備委員会
    石田雅明(73期)


       世は正にインターネット時代。これを使った犯罪や、個人のプライバシー侵害など、色々な問題が起こり、インターネットそのものの是非まで話題になっている。まだまだインターネットが登場して日が浅く、人類がこれをプラスに利用できるか、マイナスにしか利用できないか…試行錯誤と煩悶の時期にあると言えるかもしれない。

       そんな中、六稜同窓会は世界に通用する「これこそ同窓会ホームページの模範」と言えるホームページを目指して、半年にわたる熱い議論と膨大な資料の収集を経て、ついにその誕生を見た。


      若き同窓生との縦のつながり
       同窓会の定義は今さら述べるまでもないが、同じ学窓で学んだすべての世代が集う場所である。六稜同窓会は世にも珍しいほど横のつながりは強い。各期の同窓会が極めてにぎにぎしく開催されている。ところが、悲しいかな縦のつながりとなると希薄である。総会に参加するのは、ほとんどが50歳以上の同窓生である。

       確かに、同窓会というものは「昔を懐かしむ」場所というのがそのベースではある。「ノスタルジア」「青春への回帰」これをもって同窓会の最大の意義であるとするなら、若き同窓生にとっては無縁の場所である。「若い人が出てこない」と嘆く声をよく耳にするが、出てこようという動機付けが無いのだから出てこないのが当たり前なのかもしれない。

       六稜同窓会ホームページは、世代を越えて年寄りも若者も対等に集える場所としての目的意識で誕生した。父、母、祖父、祖母、あるいはそれ以上に世代の離れた先輩たちとフェイス・トゥ・フェイスで、対等の立場でのコミュニケーションを求めるのは困難である。しかし、ホームページ上では全く対等の立場でコミュニケーションが計れるはずである。縦のつながりを強める手段の一つとして、このホームページがいささかなりとも機能してくれれば、これほど嬉しいことはない。


      北野文化、そして大阪文化の情報発信
       124年の歴史を有する北野、124年の間に北野が蓄積してきた人材と文化は、計り知れないほど大きな力として今日を迎えている。『北野百年史』を始め、これまでも数多くその文化を発信する試みがなされている。このホームページはその一角を担うことも又、大きな使命のひとつである。150周年、200周年へと永遠の六稜文化を蓄積し、発信する場所としての機能も持つ。さらに、北野の文化はイコール大阪の文化でもある。六稜同窓会ホームページは大阪文化の情報発信にも重きを置いた心算である。ここを開ければ大阪が分かる、大阪を知りたければここを開ければよい…と言われるようなホームページにしたいと思っている。


      ホームページのコンテンツ
      • 北野はいま…
         同窓生にとって現在の母校の現状を知ることは大きな関心事であるに違いない。同窓会では母校とも密接に連絡を取りながらホームページ上で様々な面からリアルタイムに情報を提供する。旧校舎の解体、新校舎および同窓会館の建設の進捗状況などをビジュアルに伝えることにも重きを置いている。

         

      • 母校の歴史
         沿革はもとより、歴代校長の紹介、思い出のアルバムなどで北野を振り返ることも一つの役割である。また、北野文化は大阪文化なしには語れない。わがまち大阪とともに歩んだ足跡を、脇田修さん(62期)のエッセイで綴るほか、「大阪学」関連書籍のインデックスも…近く紹介する予定である。

      • 六稜のひと
         懐かしい恩師を訪ねて、近況やお話を伺えるのもインターネットならではの趣向といえよう。さらに六稜の土壌が育んだ人材の紹介も忘れてはならない。われら六稜人では、いわゆる著名人だけではなく「え?こんな人が六稜…」という発掘を順次紹介していきたい。自薦他薦を問わず、情報をお待ちしている。なお、記念すべき第1回は我らが森繁久彌さん(45期)に登場いただく。

         

      • 六稜アーカイヴ
         これまでに六稜同窓会が発行した刊行物を集め、できる限り忠実に次代に遺そうという趣旨のコーナー。本誌『六稜会報』(年刊)は創刊号から最新号までを網羅するとともに、100周年誌を代表とする周年記念刊行物や、修学旅行・各種講演のインデックス等も、すべてここに収容していく予定である。

         六稜アルマナックでは、水泳大会や体育大会、断郊競走といった…主にスポーツの記録類を中心に、北野での懐かしい生活を振り返る。

         

      • 六稜ミュージアム
         六稜には絵画、彫刻、書画、工芸、建築、文芸、書籍、作曲、戯曲、映像、デザイン等…たくさんの文化が蓄積されている。このコーナーでは、そうした六稜芸術を集約して紹介する予定である。

         

      • 六稜ディレクトリ
         同期会が独自に開設しているホームページや同窓会員個人が運営するホームページ等へのリンク集。原則的には、企業のホームページでも利益追求中心でない限り、リンクできるように考えている。登録を希望する人は遠慮なく申し出ていただきたい。また、大阪フリーク必見の関連ホームページ集も一興であろう。

         

      • 六稜トラスト
         名簿や基金の管理、各種催し物のお知らせ等…同窓会事務局からの連絡やお願いを掲載する。

      ホームページのこれから
       六稜同窓会ホームページは、69期から104期まで…総勢30名弱の開設準備委員が同窓会常任理事会・理事会の承認のもとに半年にわたり開設準備を進めてきた。「六稜」の名に恥じない公式ホームページが出来上がったものと確信している。

       準備委員会は、この9月23日の開設をもってその役割を終え、いったん解散となる。しかし、このスタートを切ったばかりのホームページを今後どのように発展させ、どのように維持管理していくか…については、新たに運営委員会を組織、発足させ、より一層同窓会にとって有益な情報伝達と文化の蓄積手段となるように尽力したいと願っている。

       同窓会員であれば誰もが運営委員会のメンバーになる資格がある。コンピューターやネットワークの専門家のみならず、色々な分野から色々な発想を持った人たちが、忌憚無く意見を述べていただけることを切望している。

       開設準備委員会では「どのようなホームページを作り上げるか」尋常ではない情熱を持って議論を重ねてきた。しかし、実際に顔を合わしたのはほんの数回に過ぎず、殆どはメーリングリスト(ML)の活用で、驚くべきことに2,000通を超える電子メールのやりとりが中心となった。

       69期から104期まで…実に45歳の世代格差がありながら、ML上での議論は全くその格差を感じさせず「縦のつながりが、かくも強固に実現したのは歴史的な出来事であった」と思う。

       新たに発足する運営委員会では、その枠をさらに広げ、真の意味での同窓会の「場」として育てていきたい。ぜひ…若い皆さんは委員会への参加を申し出てほしい。

      ●六稜ホームページ運営委員会ML
      email rikuryo@iijnet.or.jp

      ※参加ご希望の方は、氏名・期(卒業年次)・E-mailアドレスを明示のうえ、上記MLまでお申し込みください。老若男女・自薦他薦を問いません。


    原典●『六稜會報』No.31 pp.2-3