六稜会報Online No.29(1995.9.15)


    阪神大震災
    会員に犠牲者 校舎にも被害

       1月17日未明の大地震で淡路島北部と神戸・阪神・大阪北部に大きな被害が出たが、六稜同窓会会員も多数被災した。正確な数は不明であるが、同窓会事務局に入った情報によると、祭原俊介さん(41期)、林政雄さん(50期)、大泉清さん(62期)、成宮久喜さん(92期)の4名が亡くなられた。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

       負傷された方、ご家族が亡くなられた方、ご自宅が全半壊された方など、多くおられるように聞く。お仕事に支障を来した方もおられるだろう。もはや8ヶ月を過ぎる。町にも人にも復興の日の早いことを衷心から願う。

       北野高校の地震による被害は、グラウンドの一部液状化、ガス管破損によるガス漏れなどであったが、いずれも大きなものではなく、授業は地震翌日から支障なく行なわれた。


       森繁久彌さん(45期)が震災を受けたふるさとに宛てた詩が東京新聞に(3月6日付。後に中京新聞、神戸新聞にも)掲載された。以下に紹介する。

        我を育てし兵庫の里よ、友よ
         怨憎会苦といいます。修羅の巷と化した被災地には、言葉もつまります。
         天災とは全く無惨なものですね。
         はたして対岸の火事でしょうか。遠くに居る無私の老人は迷います。そして心を奈落の底にいためます。
         やがて、加えて昨日、今日の青空は、生きものへの嘲笑でしょうか。

         紅梅のこの赤の そら怖ろしげな
         腕さすり 頬つねる 昨日今日
         兄等の無事を どう祈るや その術もなき
         雲流る 六甲よ


    原典●『六稜會報』No.29 p.16