六稜会報Online No.28(1994.9.20)


    東京六稜会報告

    簑島紘一(75期)


       春は曙。風薫る平成6年6月2日、東京六稜会(会長 河崎晃夫・49期)第37回総会が、日本工業倶楽部にて催されました。

       会の運営は、今年50才の誕生日を迎える昭和38年卒業の75期一同がその任に当りました。又、総会に先立つ講演会演者も幹事期の誰かがそれを務めることになっております。

       当日参会者総数は155名で、一般133名、学生18名、ご来賓として下記4名の方にご上京賜わりました。
        母校校長    山崎浩和先生
        母校教員    鎌田俊一先生
        同窓会事務局長 新原知廣(72期)
        同窓会事務局  鴨脚 佐(74期)
       会は総合司会を岩木俊氏(63期)、進行係を中村大二郎氏(75期)のもと行なわれました。

       PM6:00よりの講演は、大阪信愛女学院短期大学教授児童心理学者馬場桂一郎氏(75期)により「子供の心」と題した講演が行なわれました。子育て真っ盛りの方は勿論、とっくに終えた女性聴衆(こちらの方が多かったかな?)にも興味津々の話題を、硬軟まじえての熱弁で、年度幹事が意図した「講師の魅力でOGの多数参加を!!」との目論みを十二分に果たしていただきました。

       アサヒ・スーパードライご寄贈で7時よりのパーティーも盛り上り、時代を越えた交歓の輪が繰り広げられました。
       終りに近く恒例の抽選会では北野の誇り、佐伯祐三の額付複製画やTシャツ等、幹事が苦心して収集した品々が当選者に手渡され、失意と歓喜の渦に会場は包まれました。
       フィナーレでは、竹井泰二様(59期)のリードで校歌放吟し、同窓会ご恵贈の母校手ぬぐいを手に来年の再会を約した次第です。

       付け加えて一言………

       本年幹事学年(昭和35年入学)が母校入学の年は60年安保の年で、学内外騒然の世に、自から政治を語るにはまだ少し幼な過ぎ、卒業(昭和38年)の時代は、ビートルズには時間差有り……という何となくエアポケットに入り込んだような北野の3年間だったように思えます。
       何しろこの世に現われたのが昭和19年4月〜20年3月の間で、戦中といえど戦争は知らず、まして戦後でもない中途半端な時代なのですから。
       男子300人、女子150人の構成にも係わらず、女性上位の状況は高校時代のみならず、今だにその残滓を引きずり続ける学年であったとの感概は私一人が持つ心持ちではなさそうです。(博本先生も田上先生もいつお逢いしてもそうおっしゃっておられました。)

       因みに本37回東京六稜会への75期参会者はおおむね女性2に村し男性1の割合で、ひ弱ではないが優しさ一杯の男子と、したたかさとは一味違う力強さを維持し続ける女子との融和により会を無事終える事が出来ました。


    原典●『六稜會報』No.28 p.11