六稜会報Online No.27(1994.5.20)


    【プロフィール】
    120周年の立役者、谷卓司君(98期)に聞く
    “マルチメディアで頑張る”

       谷君は、120周年記念式典で上映された「映像で綴るわが北野120年の風景」の立案者であり、製作者である。同時に記念音楽会の実行スタッフで、プログラムの編集長。団内新聞の発行やら、記念写真のデザインも。120周年のシンボルマークのデザインも彼の仕事。このほか記念CDと「第九」CDのパッケージデザインもと大活躍。今は記念音楽会のビデオを制作中だという。そんな谷君にインタビューした。

      「映像」で一番苦労したことは……。
       「例えば卒業式などで、プロの取材スタッフが撮りたい画像は、実際の式では撮れない。撮る側と学校側のどちらの言い分もわかるだけに困りました」

      反省点と、これは自慢できるという点を。
       「上映システムの最終チェックの余裕がなく、本番の時に4人がかりで手作業しました。緊張しましたね。昭和11年と現代の運動会を対比させたシーンはいいでしょう。昔のフィルムが残っていたのは幸運でした。どちらにも背景に同じ校舎があるというのが意味深いですよね」

      卒業を棒にふっての活躍だったのですが、得たものはありましたか。
       「一番大きいのは多くの人と知りあえたことです。上下と横のつながり、北野の人脈に文字どおり支えられて仕事ができた。自分にとって、これからの生き方にもつながる大きな成果といえます。これから、マルチメディアの世界でがんばりたいと思っていますが、そんなことを考えるようになったのも、この仕事や、これを通して知り合った人々からの影響です」

      今年はこれから……。
       「記念音楽会のビデオはあと少しで仕上がります。今年はなんとか修士論文を書き上げて卒業しないと……。がんばります」

       谷君は昭和61年卒。京都工芸繊維大学工芸学部を経て同大学院で造形工学を専攻。


    原典●『六稜會報』No.27 p.32