1章は1873年から77年までの「草創の時代」。第2章は77年から83年の「中之島時代」。第3章は83年から1902年の「堂島時代」。第4章は校名も北野に変わり中津に移った「北野芝田町時代」。5、6、7章は十三時代を、新制高校が発足する48年までと、それから百周年の73年まで、その後現在までの3つのパートに分け、それぞれの章の初めに年表を付けた編集となっている。
編集委員の大谷郁三教諭は、昭和43年に創立百年を記念して作られた『北野百年史』をベースに年代順に抜き出し読みやすくまとめた。最近の20年について新しく調査して書き加えた―などとしたためているが、卒業後30年を超すOBにとって母校を知る唯一のデータとあって改めて頁を開くきっかけにもなっている。
とくに、冒頭の校舎やその周辺の色々のカラー写真はそこで学んだ卒業生にさまざまな感慨を呼び起こしたものだろう。老朽化した校舎の建て替えのはなしも進んでいるだけに貴重な資料だ。
編集後記に「120年の歴史とそれをつくってきた3万人に近い人々の営為を描く仕事は大変重い。その時代を生きてこられて『違う、違う』と首を振られることも多いでしょうが、きたんのない意見を聞かせてほしい。これが次の校史つくりの糧になれば」と結んである。
未購入の皆さんゼヒ一読をお願いします。題字は旧職員の阿部醒石先生の揮毫。
編集の労苦を称えて、あえて編集委員会を紹介する。大谷先生のほか、高橋昌弘、野尻和正の両先生に加えて、本校OBでもある小出猛(66期)、鎌田俊一、寺井あかね(いずれも81期)、内藤伸彦(87期)の北野高校教諭陣がその編集スタッフ。