前日には吹田のメイシアターの中ホールで最終練習が行われ、4人のソリストとの初顔合わせ、声合わせとなった。雨の降る中、仕事帰りの人、子供連れの人など、午後6時前から集まりはじめ、オーケストラの音合わせ、合唱団の発声練習、起立の練習のあと、通して演奏が行われた。客席は合唱団員とその家族や友人でほぼ満席だ。その夜は9時まで練習が続けられた。
いよいよ当日、出演者の朝は早かった。午前9時には全員集合。着替えをすませて、合唱団はロビーで発声練習。オケは音合わせ。学校式典の間は映像を見るゆとりも。休憩時間に舞台裏に入る。12時45分、開幕。野口楽友会会長のユーモアあふれるあいさつのあと、森繁久弥氏(45期)より贈られた「指揮棒」が豊島氏に手渡され演奏は始まった。
ベートーヴェン「交響曲第九番二短調作品125」
指揮:豊島和史
ソリスト:田中千恵子、竹本節子、小林正夫、木川田誠(旧教員)
オーケストラ:六稜交響楽団=90人
コーラス:六稜混声合唱団=380人
この日、舞台に上がった人、スタッフとして最後まで裏方でがんばった人、そして客席にいたすべての人が、この日のことを忘れないだろう。
後日、参加した人達から、ぜひまたやりたいと言う声が届いている。このまま終わりにしたくないというのは、関係者すべての気持ちである。必ずや、その思いは実現されるであろう。