校友誌『六稜』から『北野文学』を発表の場に
この校友会誌『六稜』には、梶井基次郎(32期)、森本薫(42期)、野間宏(45期)氏等も寄稿して、青春のみずみずしい彼らの文学のはしりをみせている。
戦後、この校友会誌は廃せられ、新たに生徒による文芸部がつくられたが、新文学運動ともいうべき活動がおこった。木口健治氏(63期)の部長時代、部員勧誘キャンペーンに応じて入部した部員は70名を超え、ロマン、エッセイ、詩、和歌、俳句、戯曲の各部にわかれての活動がはじまる。その中でも戯曲部内では「実験劇場」と称して、月1回階段教室でオリジナルの発表を行った。
また文化祭では、前部長・西田晃氏(62期)演出のオリジナル「何もない道」と木口氏の脚色演出による樋口一葉の「十三夜」の二本立て上演、これは演劇部の2本と同じであった。「十三夜」では大阪駅の人力車夫のおじさんから人力車を一日借り切るというエピソードもあった
このいわば、文芸復興期を経て、再び静かな文芸部の時代が続き、部員は『北野文学』を拠りどころに、それぞれの作品を発表していく。
昨年、『北野文学』は52号を迎えている。部員は女子のみだが、部内雑誌『幻』も別に発行し、地道な創作活動を続けている。