六稜会報Online No.26(1993.7.20)


    【特集】六稜クラブ活動小史
    生物研究部

    活発なOB会、部誌『ルーペ』発刊45周年


       終戦の秋、運動部の活動再開をみて、地歴・物象の二班とともに生れたのが生物班である。八木宗三郎氏(60期)を班長に活動がはじまった。その当時から蜂の研究では日本一であった岩田久二雄先生が顧問格として指導。
       試験用アルコールを手に入れるのもままならぬ時代で、ザリガニの解剖とか、研究合宿と称して能勢にキャンプしたのが主な活動であった。

       しかし広岡仁夫氏(61期)になるとペニシリンの培養で専門医をおどろかせたり、木船悌嗣氏(63期)のころには、文化祭で「にわとりの卵の裸培養」を発表、高校生ばなれの研究と朝日新聞にとり上げられたりし、その活動は内外に注目される。この伝統は、その後も続き、現在の生物研究部の「淀川の水鳥の研究」にまで続く。

       六稜文化活動振興賞には毎年候補として名が上り、第1回の個人賞に八木剛氏(99期)が「大阪市西淀川の珍しい昆虫二種」と「スズメノヒエ類の病害に関する研究」が受賞しており、その后も「淀川の水鳥の研究」に助成金が出ている。又、部誌『ルーペ』は昭和23年発刊。その後、途絶えることなく今年発刊45周年を迎える。

       この生物研究部はOB会がしっかりしており、八木氏(60期)、木船氏(63期)を中心に、OB会では60人以上が集り、現役を招待し、かつ援助もしている。今年は北野創立120周年に合わせてルーペ発刊45周年記念号を出そうと世話人の荒川良氏(85期)を中心に企画が練られている。


    原典●『六稜會報』No.26 p.17