大阪でもっとも早く開校、創立百二十周年を迎える母校は、関係者らによって記念式典などの行事の準備に追われている。
●第1部「第九」の演奏には、卒業生、現役、旧職員、PTAなど北野関係者約300人が出演。
昨年春、音楽科の佐々木先生を委員長とする実行委員会が結成され、オーケストラ部とコーラス部のOB会の「楽友会」と「稜声会」が中心となって、今年1月から練習をつんできた。5月にはオーケストラとの合同練習も始めている。ソリストには旧職員の木川田誠氏をはじめ、小林正夫、竹本節子、田中千恵子の3氏が決定している。
※左から田中千恵子(ソプラノ)、小林正夫(テノール)、竹本節子(アルト)、木川田誠(バリトン)
●第2部の記念式典では、百二十年を記念して製作された「映像でつづる・わが北野120年の風景」が上映される。北野の歴史をビデオとスライドを組み合わせ、斬新な映像で描く。この作品は98期の谷卓司氏が、会報の募集した「記念事業アイデア」に応募、採択されたもので、谷氏は意欲的に取り組んでいる。なお、当日上映分は1巻ものビデオとして保管される予定だ。
●第3部は記念講演で、最近、著書やテレビでも活躍されている京都大学名誉教授の森毅氏(58期)が講師。森先生の母校での講義が楽しみだという声が寄せられている。
【もり・つよし】関数空間の解析の位相的研究、数学教育カリキュラム、数学の文化史的研究。三高在学中より歌舞伎、三味線にこり、東大時代に早くも評論家として各誌に執筆。昭和26年に北大助手となる。32年京大助教授になり、数学教育協議会副委員長として活躍する。主著に『現代の古典解析』『位相のこころ』『数学の歴史』『異説数学者列伝』『数学と文化』『学校ファシズムを蹴っとばせ』のほか、編著に『キノコの不思議』など。
こうした祝賀行事とは別に、注目されるのは9月30日(木)から10月4日(月)まで開かれる「六稜会展」だろう。会場は大阪・梅田のナビオ美術館(ナビオ阪急3階)で、卒業生と旧職員による展覧会で、絵画、彫刻、陶芸、木工、デザイン、建築、書、漫画、写真など多岐にわたり、約80点の作品が展示される。
また、ふだんは校長室の金庫に眠っている佐伯祐三氏(30期)の「ノートルダム」や、手塚治虫氏(59期)の漫画原稿と在学中の写生画なども出品される予定で、鑑賞者には貴重な機会になりそうだ。
なお、入場は無料で、だれでも鑑賞できる。
一番早くから準備しているのは記念CDの制作である。既にマザーテープは完成し、間もなくジャケットも出来上がる見込みだ。校歌、応援歌のほか、森繁久彌氏(45期)の歌とメッセージで構成されている。
このほかに、記念品として『百二十周年記念誌』が執筆、編集中だ。北野の歩みを写真をふんだんに使って構成。母校の小出猛先生(66期)を中心とする先生らが奮闘中だ。
この2点の記念品は、募金2口以上の会員に送付される。また、希望者には実費で販売される。